研究課題/領域番号 |
08219211
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
柿沼 勝己 東京工業大学, 理学部, 教授 (90092543)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1996年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 機構依存的酵素阻害剤 / 高度好熱菌 / Thermus thermophilus / 3-エチリデンリンゴ酸 / 3-イソプロピリデンリンゴ酸 |
研究概要 |
必須アミノ酸生合成の特異的阻害剤を基盤とする医農薬開発の観点から、補酵素NAD^+の存在下3-イソプロピルリンゴ酸(IPM)から2-オキソイソカプロン酸への酸化・脱炭酸を触媒するロイシン生合成における律速酵素3-イソプロピルリンゴ酸脱水素酵素(IPMDH,E.C.1.1.1.85)の超分子形成機構や機能制御について、高度好熱菌Thermusthermophilus HB-8由来のIPMDHを対象として検討した。 IPMDHと基質・補酵素との超分子形成をX線回折やNMRにて精密に解析すべく、強力な超分子形成能を持つ基質類縁体ないしは阻害剤の開発を有機合成化学的に検討してきた。 強力な競争阻害剤である3-ビニルリンゴ酸の阻害機構を明らかにすべくMALDI-TOFMSによる超分子の検出を試みた。反応生成物-補酵素-酵素からなる超分子に相当する分子量付近にシグナルを認めたが、明確な質量数の測定に至っていない。反応用緩衝液等の超分子形成の条件及び測定条件をさらに検討している。 一方、3-ビニルリンゴ酸の阻害機構の一つとして、IPMDHによる酸化の後二重結合が共役系に異性化したエチリデンオキザロ酢酸の生成が考えられ、そうであるなら基質類縁体の3-エチリデンリンゴ酸や3-イソプロピリデンリンゴ酸は機構依存的阻害剤となる可能性がある。それぞれRーリンゴ酸及びracーリンゴ酸からアルキル化、セレニニル化及び酸化的脱離反応を経て合成した。IPMに対し前者はKi48μM、後者はKi39μMの強い競争阻害を示した。これらは新規な阻害剤であり、阻害剤-補酵素-酵素複合体超分子の質量分析による検出およびその結晶化の研究に有用と考えられる。さらにそれらの生物活性に興味が持たれる。
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