研究課題/領域番号 |
08219212
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
大橋 守 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (70015535)
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研究分担者 |
平野 誉 電気通信大学, 電気通信学部, 講師 (20238380)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 生物発光 / 化学発光 / エクオリン / GFP / エネルギー移動 / イミダゾロン / シス-トランス異性化 / 蛍光 |
研究概要 |
オワンクラゲの生物発光は発光蛋白質エクオリンがカルシウムイオンにより刺激されて励起青色蛍光蛋白質(BFP)を生じ、ついで緑色蛍光蛋白質(GFP)にエネルギー移動して励起GFPを生じ、そこから発光極大510nmの緑黄色蛍光に由来するものといわれている。本研究では変性GFPやGFPを酵素分解して得たクロモペプチドが蛍光を示さないことから、生体内における蛍光量子収率が80%という高収率を理解するためにそのモデル化合物を合成し、蛍光挙動を比較検討した。合成したモデル化合物4-(4-hydroxyphenyl)methylideneimidazol-5-one(I)は溶液中では殆ど蛍光を示さないが77KでEtOH中剛体マトリクスでは470nm付近に強い蛍光を示した。同様に天然から得られたクロモペプチドもEtOH剛体マトリクス中で蛍光を示すようになり、その極大はモデル化合物(I)と一致した。(I)は光照射により側技のシス-トランス異性化をおこすことも明らかにした。このことはGFP中では分子内水素結合やクロモフォアの存在するキャビティのためにシス-トランス異性化が阻害されることにより高量子収率の蛍光を示すものと解釈しうることを示した。GFPは又亜ジチオン酸ナトリウムで還元すると蛍光を失い、空気酸化で再生することが知られている。モデル化合物(I)は亜ジチオン酸ナトリウムでジヒドロ化合物を与え、もはや蛍光を生じないが、このものは空気酸素存在下で再び(I)が再生されることを見出した。このことはGFPの生合成に対して重要な知見を与える結果である。
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