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海洋産の新規DNAトポイソメラーゼI阻害物質の探索・構造と作用機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 08219218
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関名古屋大学

研究代表者

小鹿 一  名古屋大学, 農学部, 助教授 (50152492)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
キーワードDNAトポイソメラーゼ / 海洋天然物 / 酵素阻害 / 脂肪酸 / リン脂質
研究概要

DNAトポイソメラーゼは細胞の増殖の際に重要となるDNA代謝に必須の酵素で、ある種の抗癌剤の標的酵素として近年注目されている。本酵素のうちI型のもの(トポI)の特異的阻害物質としては抗癌剤カンプトテシンが知られているが、未だ例は少ない。本研究ではトポIの新たな特異的阻害物質を比較的未開拓な海洋生物を材料に用いて探索し、構造解析・化学合成などの有機化学的研究を行うことを目的とする。海洋生物約100種のE_1OH-MeOH抽出物についてトポI阻害活性のスクリーニングを行い、活性が強力で量的に確保できた二重の海洋生物について以下の結果を得た。
1.オーストラリア産の海綿 Amphimedon sp.のトポI阻害物質: ヘキサン可溶部から活性物質として炭素数27から28の数種の長鎖脂肪酸を分離した。この中には全例のないシクロプロピリデン構造を持つ新規不飽和脂肪酸が含まれる。一般的な脂肪酸(炭素数18のリノール酸など)に活性がないことや、今回得た長鎖脂肪酸の構造とトボI阻害活性の比較から、シクロプロピリデン構造よりむしろ分子の長さや全体の形(直線か折れ曲がりか)が活性に重要と推定された。最も強力な活性を持つ物質については全合成により絶対配置を決定した。またブタノール可溶部からイソプレノイド脂肪鎖を持った新規リン脂質を分離した。
2.愛知県産チゴケムシのトポI阻害物質: ブタノール可溶部から強力な活性を示す新規リン脂質として二重のceramide 1-phosphateが得られた。分光学的手法により平面構造を決定し、分解反応で得られた生成物の施光度やCDスペクトルから絶対立体配置を決定した。Ceramide 1-phosphateは、生体に普遍的に存在するスフィンゴミエリンの部分構造であるが、これまでに天然からの単離・化学的解析の報告はなく、生合成的にも極めて興味深い。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書

URL: 

公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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