研究課題/領域番号 |
08219220
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小林 一清 名古屋大学, 工学部, 教授 (10023483)
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研究分担者 |
松浦 和則 名古屋大学, 工学部, 助手 (60283389)
西田 芳弘 名古屋大学, 工学部, 助教授 (80183896)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1996年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 人工複合糖鎖高分子 / 超分子 / 精密認識 |
研究概要 |
本年度の最大の成果は、オリゴ糖を置換したスチレンモノマーの単独重合体が水溶液中で超分子構造をとることを明らかにしたことである(京都工芸繊維大学・梶原莞爾教授との共同研究)。本研究で合成してきた各種のオリゴ糖置換糖鎖高分子はいずれも両親媒性構造をとっている。これらの糖鎖高分子の水溶液中での構造を、放射光による小角X線散乱実験と静的光散乱実験を駆使して解析した。円筒棒状の内部に疎水性のポリスチレン主鎖を包み込み、外筒部分に浸水性の糖鎖が高濃度に配列していると考えると実験データが都合よく解釈できる。二糖、三糖、五糖、および七糖とオリゴ糖の重合度を変えてもまた主鎖ポリエチレンであっても、フェニル置換ポリアクリルアミドであっても、本質的には同様の円筒棒状構造をとっていることが分かった。 このような構造を形成するためには、主鎖部分がおおまかにラセン構造をとっている必要がある。ラセン構造は、主鎖のポリスチレンの連鎖が立体規則構造であるならば、十分に理解しやすい。しかしラジカル重合で調製したポリスチレンやポリアクリルアミド誘導体はアタクチック構造をとっており、必ずしも立体制御されているわけではない。それにも拘わらず、棒状のコンホメーションをとるのは興味深い。このような糖鎖は、天然の糖タンパク質を越える生物高次認識機能を発揮するので、「スーパーバイオリガンド」と名付けててもよいだろう。 そこで次に、精密重合化学を駆使して、高分子の主鎖構造を立体制御することによって、共役系ラセン状糖鎖高分子を合成することを試みた。O-α-マンノースを置換したフェニルイソシアニド誘導体を合成しその立体特異的重合を行って、剛直な4回ラセン構造をとると考えられるポリ(α-マンノシルホフェニルイソシアニド)を合成した。またラクトース置換フェニルアセチレン誘導体の合成と重合を行って、ラセン構造からなるポリアセチレン誘導体を合成した。これらがラセンを形成していることを円偏向二色性(CD)スペクトルにより明らかにした。これらのラセン状ポリマーは、糖鎖を高密度に配向・配列して超分子構造を形成するので、糖鎖のもつ特有の動的精密構造認識がどのように高進するのか、あるいは場合によっては認識機能が低下するのかを現在調べている。さらに、これらのポリマーの光化学物性および電気化学物性にも興味がもたれる。認識信号機能と光化学物性および電気化学物性との高次複合機能の発現を今後解析したい。
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