研究課題/領域番号 |
08219231
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
小南 思郎 広島大学, 総合科学部, 教授 (10106776)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 膜酵素 / 反応速度 / ステロイドホルモン / 副腎皮質 / 人工膜リポソーム / チトクロムP450 / コレステロール / アルドステロン |
研究概要 |
脂質2重層から構成されている生体膜は、隔離空間を形成しエネルギー代謝等に大きな役割を果たすとともに、水溶液に解け難い脂溶性物質の代謝の場としての役割を果たしている。脂溶性物質であるステロイドホルモンは、コレステロールを出発基質として卵巣、精巣、副腎皮質のミトコンドリアと小胞体に存在する種々の膜酵素の触媒により生合成される。この研究では副腎皮質における鉱質コルチコイド、アルドステロン生合成に関与する膜酵素、チトクロムP450scc、P450c21、P45011βと3β水酸化ステロイド脱水酵素/イソメラーゼ(3βHSD)及びそれらへの電子伝達タンパク質をウシ副腎皮質から分離精製し、人工膜リポソームを用いてステロイドホルモン合成反応系を再構成した。ミトコンドリアに局在するP450sccとP45011βを組み込んだミトコンドリアリポソームと小胞体に局在するP450c21と3βHSDを組み込んだミクロソームリポソームを作成し、これらを混合してNADPHを加えるとミトコンドリアリポソーム中のコレステロールはアルドステロンまで代謝された。この反応系の反応速度は副腎皮質のミトコンドリアとミクロソーム混合系の反応とほとんど変わりがなかった。これは人工膜系が副腎皮質におけるアルドステロン生合成をかなり正確に反映しいることを示している。この人工膜ステロイド生合成系でそれぞれの膜酵素の濃度を変化させて、そのステロイド代謝に対する影響を調べたところ、その代謝経路の上流に存在する酵素の量はその下流の反応に大きな影響を及ぼすとともに、その酵素の上流の反応にも影響を及ぼすことが初めて明らかとなった。
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