研究課題/領域番号 |
08220105
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
舘脇 洋 名古屋市立大学, 自然科学研究教育センター, 教授 (20002115)
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研究分担者 |
関谷 雅弘 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60241296)
田中 皓 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (00000860)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ランタニド原子(希土類原子) / 6S電子 / 4f電子 / イオン化エネルギー / 非相対論的HF法 / 相対論的HF法 / 電子相関 / GdF分子 |
研究概要 |
高温超伝導体を始めとして、希土類は機能性材料には欠かせない元素ある。電子数が多いいゆえに、理論的にその電子状態を論ずることは難しく、希土類原子の電子状態を扱っている論文は少ない。そこで化学結合に重要な役割を果たす6sと4f電子に着目し 1.希土類原子の6sと4f電子のイオン化状態を理論的に求めた。希土類原子の6s電子のイオン化では、非相対論的Hartree-Fock (HF)法は実験と同じ電子配置をイオン化状態に対して与える。しかし、相対論的なハミルトニアン項と電子相関の項を加えなることにより、実験とのさらなる一致が得られた。4f電子のイオン化状態は、複雑である。結果はPhysical Reviewに投稿中。 さらに、希土類原子を含む化学結合の一端を知るために 2. GdF分子の基底状態等の電子状態を非経験的な相対論的HF方程式を解くことにより論じた。多くのランタニド原子は、固体の中で、2個の6s電子、1個の4f電子を放出して、3価になるとされる。GdF分子の基底状態はポピュレーション解析より Gd4f^<7.0>Gd5d^<0.3>Gd6s^<1.8>Gd6p^<0.2>F2s^<2.0>F2p^<5.7> と与えられた。相対論的HFではGd原子の基底状態は(4f^75d^16s^2)であるから、ポピュレーション解析の結果はGdの5d電子がFの2p軌道に移動したイオン結合型の分子に見える。しかしながら、これは単純なイオン結合ではない。Gd原子の5pとF原子の2s電子が深く結合にかかわり、4f電子の寄与も無視できない。結果はJournal of Chemical Physicsに受理された。
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