研究課題/領域番号 |
08220215
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
野間 竜男 東京農工大学, 工学部, 助教授 (20180771)
|
研究分担者 |
鈴木 健之 東京農工大学, 工学部, 教授 (70092559)
和田 智志 東京農工大学, 工学部, 助手 (60240545)
|
研究期間 (年度) |
1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1996年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | 錯体重合法 / 希土類 / 水酸アパタイト / 湿度センサー / 光センサー / セラミックス / 吸着 / 蛍光 |
研究概要 |
水酸アパタイトセラミックス(Ca_<10>(PO_4)_6(OH)_2:HAp)は表面活性が高く、種々の物質を高効率で吸着する。この高い吸着能をセンサーへ利用したものとして、湿度センサーがすでに実用化されている。従来のHAp湿度センサーはH_2OがHAp表面に吸着した際の電気抵抗変化を検知に用いているが、我々は光信号の変化を用いる(以下、光駆動)希土類添加HAp湿度センサーの開発を目的に研究を行ってきた。そして、希土類を添加したHAp表面にH_2Oが吸着すると、以下の2つの現象が生ずると期待した。 1.Caサイトに置換した3価の希土類イオンにより生成した空孔に、優先的にH_2O(分子状態または解離状態)が吸着し、表面反射率を変化させる。ここで、希土類はHApの吸着能を低下させずに欠陥を生じうる理由で用いられている。 2。光反応による希土類イオンの価数変化が生じた場合、反射光(含む蛍光)のスペクトルが変化する。価数変化するイオンの割合は周囲の化学的結合に影響されるが、表面にH_2Oが化学吸着した前後ではそのイオンの割合、すなわちスペクトルに差が生ずる。特に、H_2Oが吸着した場合、この価数変化は単なる固体中と異なり生じやすくなると予想される。 我々は上記のアイデアをもとに錯体重合法で希土類添加HAp(以下、Ln-HAp)の合成を行って来た。本研究では、P[CH_3OH]_3(以下、THP)を用いてCa及び希土類錯体を重合し、希土類イオンが均一に分布した前駆体を合成し、それを熱処理することでLn-HApセラミックスを作製した。 2つの湿度検知メカニズムのうち、1つめの吸着による反射率の低下については有望であることがわかった。一方、2つめの価数変化についてはその傾向は全く見られなかったが、蛍光強度の変化から結晶場が何らかの影響を受けている可能性があり、今後、検討したい。
|