研究課題/領域番号 |
08220218
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
大塚 潔 東京工業大学, 工学部, 教授 (60016532)
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研究分担者 |
山中 一郎 東京工業大学, 工学部, 助手 (90240051)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1996年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | ユウロピウム / 希土類 / メタン / メタノール / 部分酸化 / アルカン / 活性酸素 / チタン添加効果 |
研究概要 |
既に我々は、ユウロピウム触媒系(塩化ユウロピウム・亜鉛粉・酢酸・塩化メチレン溶媒)が、酸素を酸化剤としてシクロヘキサンなどのアルカンの部分酸化とアルケンのエポキシ化反応に活性であることを見出している。本年度では、このユウロピウム触媒系を炭化水素の中で最も反応性に乏しいメタンの部分酸化反応に適用し、常温でメタンからメタノール合成の可能性を検討し、さらに系の改良と反応機構を解明することを目的とした。その結果、溶媒を用いず、酢酸のかわりにトリフルオロ酢酸を用いると、常温下でメタンからメタノールへの酸化反応が進行することを見出した。また、メタノールの生成に、塩化ユウロピウム・亜鉛・トリフルオロ酢酸・酸素・メタンのすべての成分は必須であることが分かった。反応活性を向上させる目的でこのユウロピウム触媒系に種々の添加物を加え、添加物による促進効果を試みた。その結果、チタン化合物(TiO_2又はチタンオキシアセチルアセトナート錯体(TiO-AA)を添加すると、メタノール収率が2倍に向上することを見出した。また、このユウロピウム触媒系は、メタンだけではなく、エタン、プロパンのアルコールへの選択酸化反応も効率よく触媒作用することが明らかになった。これらの場合でもチタン化合物による顕著な促進効果が見られた。UV-vis分光法とサイクリックボルタンメトリー測定の結果から、このチタンの促進効果は、Ti^<4+>とTi^<3+>のレドックスがEu^<3+>からのEu^<2+>の生成を促進し、Eu^<2+>上で酸素の還元的活性化を促進することに起因すると考えられる。さらに、電子供与体の亜鉛粉の代わりに定電位電解法を用いても、ユウロピウム触媒によるアルカンの部分酸化反応が進行することを見出した。また、定電位電解の場合でも、チタンのレドックスがEu^<3+>の還元を促進し、両者が協奏的に作用していることが明らかになった。
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