研究課題/領域番号 |
08220223
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
中田 良平 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (10017353)
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研究分担者 |
河野 勝泰 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (90017418)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1996年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 希土類 / 太陽電池 / 変換効率 / 無反射膜 / イオン注入 / 多孔質ガラス / 無機材料 |
研究概要 |
エネルギーの高い短波長領域の光を希土類イオンに吸収させ、太陽電池の感度の高い長波長側で発光させて効率よく吸収させ、全体として従来の太陽電池の変換効率を上げようとする試みを提案した。これまでの実験で、効率の上昇の相対比を測定しほぼ全ての結晶で効率の向上が認められ、基本的に希土類Euを使うアイデアは有望であることが明らかとなった。a-Siの太陽電池に対して得られた実験データは、絶縁体結晶にドープした希土類イオンが太陽エネルギーの高エネルギー側成分を、低エネルギー側成分へと十分に変換を可能とさせるものであり、太陽電池の変換効率を上昇させることを示した。目的に沿った希土類イオンの候補としてEu^<2+>の他にSm^<3+>について,その発光、励起スペクトルを測定し、紫外光を吸収しa-Si電池の高感度部分に発光を得て有効であることが分かった。更にCaF_2とSrF_2の混晶にドープしたEuの発光波長が大きく長波長側にずれることが分かり、これを利用すれば更に効率を上げられることを期待したが、結果はわずかな効率の上昇をみただけであった。混晶の場合には、生ずる歪みのために透過度が落ちることが予想される。また多孔質ガラス(コ-ニングバイコール、7930)にEu-キレート錯体を浸透させる方法でp-Siの分光感度に適した発光を観測し、その相対変換効率を測定したところ,種々のキレート濃度領域でわずかな低下を与えた。この原因は多孔質ガラスがもともとフィルターとして使われることが多く、大気中の有機物質を吸収しやすく透過度が落ちるためであることが分かった。最後に,CaF_2にEuイオン注入直後の吸収と蛍光スペクトルの結果は、その位置関係から変換効率の増大に適合できる条件を満たしていた。実際のp-Si(Solarex MSX-64モジュール分割)に対してそのSiO_2無反射膜へのEuイオン注入を行ない、注入の際に予想される障害もなく太陽電池としての機能が保たれていることが確認され、注入前後で変換効率の相対値を1.5-1.6倍に増大させることに成功した。
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