研究課題/領域番号 |
08220224
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
増田 芳男 新潟大学, 理学部:教授 (50018347)
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研究分担者 |
石塚 紀夫 新潟大学, 理学部, 教授 (10272808)
湯川 靖彦 新潟大学, 理学部, 助教授 (50200861)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 混合金属錯体 / 希土類 / 熱分析 / 溶媒和物 |
研究概要 |
平成6年度および平成7年度の本重点領域研究で、ランタニドを含むヘキサシアノコバルト(III)酸錯体の水和物を合成して、軽希土側(La,Ce,PrおよびNd)錯体では5水和物、重希土側(NdからLu)錯体では4水和物であり、水和数が変化する境界はNd錯体であることを明らかにした。 本年度は、ヘキサシアノテトラブチルアンモニウム(TEA_3[Co(CN)_6])とランタニドの硝酸塩をメタノール(NeOH)に溶かして混合することにより、Ln[Co(CN)_6]・nMeOHを合成し、ランタニドイオンのイオン半径の収縮が、一連の錯体のメタノール溶媒和物の構造と性質にどのように影響を及ぼすかを検討した。 合成した錯体の熱重量分析から、LaおよびCe錯体では2.5分子のMeOH溶媒和物、Pr以降の錯体では2.0分子のMeOH溶媒和物の生成されていることを確認し、Ce錯体が両者の境界となることを明らかにした。この結果は、水よりかさ高いメタノールが溶媒和する場合には、溶媒和数が減少するとともに、その境界がイオン半径の大きな軽希土側(Ce)に移動したものと考えられた。これら溶媒和物の脱溶媒過程を熱重量分析および示差走査熱量測定によって精査し、さらに、固相生成物の構造を赤外吸収およびラマンスペクトル、粉末X線回折測定によって調べて、ランタニドイオンと配位子の相互作用を、ランタニドイオンのイオン半径の収縮に基づき生じると考えられる次の二つの要因、(i)ランタニドイオンと溶媒和文子の相互作用が強化される傾向、および(ii)配位圏が縮小して配位構造が不安定化する傾向、から考察した。
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