研究課題/領域番号 |
08220239
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
赤星 光彦 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (00027418)
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研究分担者 |
川本 圭造 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (70089134)
田中 愛子 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (70027449)
高田 実弥 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (10115868)
河合 建一 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (30110761)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1996年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 希土類元素 / テルビウム(Tb) / HeLa細胞 / シスプラチン / 標的量 |
研究概要 |
役割分担に述べられたそれぞれの研究課題において、一定の成果を挙げることができた。 中でも、近年、シスプラチン処理されたDNA分子が希土類元素であるTbと特異的に反応し、Tbの蛍光光度を著しく増加させると云う知見を培養細胞に対する致死作用の上で検証することを試みた研究課題において、多大の成果をあげることができ、今後の「希土類元素と生物との相互作用」研究を続ける上で明るい展望が得られた。本研究成果を以下に概説する。すなわち、Tbの培養HeLa細胞に対する平均致死濃度は37℃-1h処理の場合、4.97mMであった。この条件において、細胞のDNAには約200ヌクレオチド当たり1分子のTbが結合していることになる。一方、同じ細胞をシスプラチン処理した場合には平均致死濃度は8.3μMであり、この条件でDNA上1.95x10^5ヌクレオチド当たり1分子のPL分子が結合している。ところがシスプラチンに0.75mMのTbを併用した場合にはシスプラチンの平均致死濃度が3.2μMに減少し、標的量が5.79x10^5ヌクレオチドに増加した。つまり、シスプラチン単独で細胞を殺すにはDNA1.93分子当たり1個の白金の結合が必要であったのに対して、Tbが作用した場合には6.5分子当たり1個の結合で済むことになる。シスプラチンとの併用によってDNAに結合するTbの数は決して増えていないので、この増強作用はシスプラチンの致死効率がTbによって高められたことを意味する。その作用機構について現在も研究を遂行中であるが、この知見は今後の化学療法の展開の上で重要な意味をもつものと考えられる。
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