研究課題/領域番号 |
08220240
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
井上 正志 京都大学, 工学研究科, 助教授 (30151624)
|
研究期間 (年度) |
1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1996年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | 希土類 / ガ-ネット / バナデ-ト / 複合酸化物 / 結晶核発生 / 結晶成長 |
研究概要 |
アルコキシド法と水熱法の中間に位置する新規な材料合成法であるグリコサーマル(glycothermal)法による希土類複合酸化物の合成を検討した。 ガリウムアセチルアセトナートとCeやPrの酢酸塩の混合物のグリコサーマル反応では、これらのガリウムガ-ネットの自発的な結晶核発生は起こらず、他のガ-ネットを結晶核として成長することを見いだした。生成粒子のTEM観察によりセリウムガリウムガ-ネットは種結晶上に一様に成長するのではなく、格子長の合致した部分を結晶核にして成長するものと考えられた。 希土類酢酸塩と鉄アセチルアセトナートのグリコサーマル反応では、Er〜Luの範囲で、六方晶YMnO_3と同型の新規複合酸化物が生成することを見いだした。生成粒子は板状晶の会合体のように見えるが、電子線回折の結果から、一つの結晶核から成長したものと結論できた。この化合物を焼成すると約980℃でペロブスカイト型のREFeO_3へ相転移した。 希土類酢酸塩とV(acac)_3やV_2O_5の混合物のグリコサーマル反応ではNd〜Gdの範囲で単一相のREVO_4が得られたが、Tbよりも重希土の場合には少量のREOOAc相が副生した。希土類酢酸塩とMoO_2(acac)_2の反応ではRE(OH)MoO_4が生成したが、REOOAcやMoO_2が副生した。 グリコサーマル反応による希土類複合酸化物の合成では、結晶核発生が律速段階であり、結晶成長は容易に進行する。この結晶成長過程では、グリコール錯体中の希土類イオンと、他の金属イオンのグリコール錯体が熱分解しして生成する酸素アニオンとの、クローン相互作用により進行すると考えられる。VやMoの場合には金属の持つ電荷が大きいため、この相互作用が弱く、結晶成長速度が小さい場合ため、希土類グリコール錯体が分解してREOOAc等を生成すると考えられた。
|