研究課題/領域番号 |
08220245
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
永井 宏 大阪大学, 工学部, 教授 (80029206)
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研究分担者 |
勝山 茂 大阪大学, 工学部, 助手 (00224478)
真島 一彦 大阪大学, 工学部, 助教授 (60029270)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1996年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 錯体重合法 / 酸化物超伝導体 / 臨界電流密度 / 磁束線ピン止め力 |
研究概要 |
アモルファス錯体法の一方法である錯体重合法は、目標とするセラミックスと同じ元素組成を持つ複合高分子錯体を前駆体として出発し、その後の熱処理によって所望の組成を持ったセラミックスを合成するというもので、不純物の混入なしに構成元素が均一に混合された物質を合成できるという特長を持っている。R_<1+x>Ba_<2-x>Cu_3O_y(R=Nd,La)超伝導体をクエン酸金属錯体とエチレングリコールの高分子エステルを出発とする錯体重合法により作製し、その物性、特に磁束線ピン止め力について検討した。Nd_<1+x>Ba_<2-x>Cu_3O_yについてのX線回折の結果、窒素中800℃で20時間加熱した後、酸素中400℃以下で20時間焼鈍した試料[NO]ではx=0.3で斜方晶-正方晶転移が起こったのに対し、窒素処理を加えていない試料[O]ではx=0.2で転移が起こった。このことは試料[NO]ではNd原子のクラスターが形成されていることを示している。また、Nd_<1+x>Ba_<2-x>Cu_3O_yでは、Nd原子間に反強磁性的相互作用が働いており、その力は試料[NO]の方が[O]よりも強いが、La_<1+x>Ba_<2-x>Cu_3O_yのLa原子間にはそのような相互作用は働いていない。磁束線ピン止め力F_pは、Nd_<1+x>Ba_<2-x>Cu_3O_yの試料[NO]が最も大きく、試料[O]およびLa_<1+x>Ba_<2-x>Cu_3O_yの試料[NO]では小さかった。以上の結果は、反強磁性的相互作用を示す、クラスターを形成した原子が有効な磁束線ピン止め中心となり得ることを示している。
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