研究課題/領域番号 |
08220247
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
出来 成人 神戸大学, 工学部, 教授 (10101065)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1996年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 希土類 / 水溶液 / 加水分解 / 多核錯体 / 前駆体 |
研究概要 |
希土類酸化物の機能性材料への応用は、単独で用いられるよりも他の元素群の化合物との多成分系で用いられる場合が多く、複合化のプロセスが工業的にも基礎研究においても非常に重要である。既に、各種前駆体を用いる調製方法は、均一分散もしくは均一組成を得る有効な合成法として提案し、前駆体として、加水分解反応を用いた水酸基もしくは酸素を架橋配位子とした多核錯体の合成に取り組んだ。本研究においては、希土類イオンの単核および多核錯体の水溶液内における3ヶ月以上の長時間に亘る加水分解反応過程を超音波物性を中心とした物性測定およびイオンクロマトグラフィー、X線回折、並びにUV-VIS測定による構造の両面から詳細に検討を加え、加水分解過程を明らかにすることを試みた。その結果、種々のpHにおいて調製された溶液について、いずれも初期においては断熱圧縮率は増加しており、溶液内において嵩高い構造をもつ溶存種が生成したことが示唆された。30日経過した後、定常状態に達しているが、初期pHが高いものほど、断熱圧縮率は高くなっており、溶液内の水酸化物イオンが関与する錯体形成反応が生じていることが示唆された。以上の経時変化の測定においては、150日以上経過後も溶液には沈殿、濁りは生じず透明な均一溶液を保ち、従来考えられているよりも加水分解反応が非常に遅く、沈殿生成も生じない事から安定な多核錯体が形成されていることが支持された。また、既に開発している各種酸化物薄膜の水溶液製膜法である液相析出法を応用し、金属フルオロ錯体水溶液系にランタン錯体を添加し、酸化チタン薄膜との共析複合化について検討した。種々のランタン錯体の添加を試みたが、EDTA錯体を用いることにより、析出薄膜中へLa/Ti比=0.45の組成まで複合化が可能となった。析出薄膜中のランタン含有量は、添加時の溶液pHに大きく影響され、チタン錯体とランタン錯体との競争加水分解反応に起因すると結論された。
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