研究課題/領域番号 |
08220257
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
松本 泰道 熊本大学, 工学部, 教授 (80114172)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 電解酸化 / 水素吸蔵 / 希土類イオン / ニッケルインオ / ニッケル水素電池 / ニッケル酸化物 |
研究概要 |
遷移金属イオンと希土類イオンの両者を含有する電解液中で電解酸化すると、電極表面に希土類イオンを含有するオキシ酸化物が形成する。この膜の結合状態を分析した結果、水和した希土類イオンがCo-OやNi-Oの層間に存在していることが明かとなった。今回の研究はこの希土類固定膜の電気化学機能性を求めることを主目的として研究した。 ニッケルと希土類イオンとが固定された膜を電解酸化して作製した後アルリカ中でカソード分極した。その結果、まずはじめにNiOOHがNi(OH)_2へ還元する反応が観察された。その後、水素吸蔵に類似する還元反応が生じていることが観察された。さらに電位をアノード方向にもっていくと、水素放出反応に相当する酸化ピークが観察された。この反応はNiOOHが希土類イオンを含有するときにのみ観察された。還元時に表面をXPSで分析したところ、ニッケルの一部が金属に還元されていたが、希土類イオンの還元はまったく見られなかった。このことは、還元反応に希土類イオンの還元は生じてしないことを示している。さらに、アルカリ中の濃度と酸化ピークとの関係を調べると、アルカリ濃度が高い程酸化ピーク電流が高くなることが明かとなった。すなわち、上記の反応に水酸化物イオンが重要に関係していることが分かる。また溶液を撹拌すると、酸化還元反応は消失してしまった。これらのことから、陰分極における酸化還元反応には、表面に水酸化物イオンによって形成した双極子が影響している可能性が高い。すなわち、カソード分極時にOHイオンが電解液側にきちんと配列する。これをアノード方向に分極すると、この配列が乱れるのである。従って、観察される酸化還元電流はちょうど二重層充電・放電に相当するチャージ電流によると判断された。結果、この反応は二次電池の陰極として使用できる可能性があると言える。
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