研究課題/領域番号 |
08221221
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
北村 光孝 広島大学, 工学部, 助教授 (60127644)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1996年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 分子錯体 / 結晶多形 / 結晶成長 / 結晶核発生 / 転移現象 / 構造制御 / 異性体分離 / アミノ酸 |
研究概要 |
結晶多形はその構造の違いから、"bioavailability"(医薬品)、分散性や固液分離特性などに違いを生じ、工業的にも重要な問題となっている。また、包接化合物(分子錯体)結晶では、そのホスト構造が析出操作(晶析)の条件により変化し、これに付随して異性体分離効率や結晶の機能性が大きく変化する。このため工業的にはその目的に合った構造を持つ結晶を選択的に得る必要がある。このような結晶の構造制御を行なうにはその析出機構を知ることが重要である。また、結晶多形の析出においては一般に添加物や溶媒の影響を受ける場合が多く観察されている。そこで、本研究では、特に、アミノ酸結晶多形や包接化合物結晶に及ぼす添加物や溶媒の効果に着目し、これらの析出過程に関する検討を行った。先ず、包接化合物ではホストとしてテトラ(4-メチルピリジン)ニッケルジチオシアネート(Ni錯体)を用いて、1-メチルナフタレン(1-MN)と2-メチルナフタレン(2-MN)異性体に対する包接結晶化(晶析)挙動について検討を行うとともに有機ホストである1,1-di(p-hyroxyphenyl)cyclohexane(DHC)についても2-アセチルナフタレン(2-AN)の包接化における溶媒効果に関して検討を行った。これらの結果、ゲスト分子に対する分子認識挙動が結晶化(晶析)過程に深く結びついていることが明らかになった。さらに、アミノ酸結晶ではL-グルタミン酸(L-Glu)の析出挙動への添加物としてのL-フェニルアラニン(L-Phen)の効果を明らかにした。また、L-ヒスチジン結晶多形(A(斜方晶系)およびB(単斜晶系))の析出挙動に関してはエタノールによる溶媒効果について定量的な評価を行うとともに、転移機構の解明ならびに転移速度解析を行った。
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