研究課題/領域番号 |
08223205
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
塩川 佳伸 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (50111307)
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研究分担者 |
本間 佳哉 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (00260448)
菅井 弘 (財)電気磁気材料研究所, 主任研究員 (20280612)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 電気分解 / 高純度金属 / アクチナイド / ウラン / ウラン金属 |
研究概要 |
超ウラン元素では原子番号の増加に伴いネプツニウム・プルトニウム・アメリシウム付近で5f電子の遍歴性から局在性への変化は、他の元素グループには見られない大きな特徴であり、更に、現在活発な研究が進められている重い電子状態と呼ばれる現象とも密接な関連をもつ。しかし、超ウラン元素化合物に関する研究は極めて少なく、我が国では核燃料研究を除けば皆無である。これは、高放射性であること以外に、化合物の母材となる超ウラン元素金属の調製の困難さに因る。本研究ではウラン等を用いて新しい簡便な金属調製法を開発し、ネプツニウムに適用することを目的とした。従来アクチナイド金属は高温化学プロセスにより製造されてきたが、その純度は満足できるものではない。水溶液系では金属イオンの高度な分離精製法が確立されており、水溶液から金属へ還元が室温で実現できるならば高純度金属が期待できる。 アマルガムは水銀を陰極とした水溶液電解によっても得られ、古くから分析化学の分野で利用されてきた。しかし、アクチナイドの還元電位はいわゆる水銀陰極の電位の窓の外に存在する。この窓の外側では溶媒である水の分解が起こるため、これを補償できれば、電解の継続が可能となりアクチナイドのアマルガム化が可能と推察できる。本研究では陰極室と陽極室を陽イオン交換膜で隔離することによって、陰極で起こる水の分解によるH^+イオンの減少を、陽極反応で生じるH^+イオンの陰極室への輸送で補償する方式とするガラス製電解を製作した。これを用いて、ウランの還元速度を検討した結果、ウランが定量的な電解は可能であることを見出した。更に、ウランアマルガムを真空中で熱分解することによってウラン金属を調製し、ICPによる不純物分析の結果、本研究で得られたウラン金属は市販品(約99.95%)より格段に純度の高いことが判明した。
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