Ce-Ru系の物質探索を、系統的に行った。特に注目したのは、A.Palenzona(J.Alloys and Compounds176.(1991)241.)の論文における相図である。ここではCe_<16>Ru_9とCe_7Ru_3がコングル-エントメルトであることが示されている。これら二種類について、アークメルトした化合物を、X線回折による物質評価を行なった。その結果、Ce_7Ru_3は未反応の成分も残ることなく反応して、結晶粒塊も大きいことがわかり、単結晶化するのには最適と判断できた。 Ce_7Ru_3の単結晶化は、高融点のRuとCeを反応させるために、第一段階はアークメルトさせた。3回のアークメルトを行うと反応は完了し、700℃弱の融点を持つCe_7Ru_3の多結晶体ができる。この多結晶体を単結晶化するのには、700℃という温度がアークにとっては低温過ぎて、アーク放電を使用した単結晶育成は困難である。このことから、700℃程度の温度領域に最も適した電気炉での育成を試みた。石英管内に直接封入して試行したところ、SiO_3との反応が起こって接触部分が変色した。アルミナの成型ルツボを石英管内に封入して単結晶化をはかったところ、ルツボや石英管との反応がなく単結晶化をするという良い結果を得た。 以上をふまえたCe_7Ru_3の単結晶化のプロセスは、第一段階はアークメルト、第二段階については電気炉での単結晶育成を行うという、二段階のステップをとることが最適であるとの結論に達した。そして単結晶化に成功した。
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