研究課題/領域番号 |
08223227
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
畑 徹 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (10156333)
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研究分担者 |
石井 廣湖 大阪市立大学, 理学部, 教授 (80047167)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1996年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 核磁性 / 磁気相転移 / 4f電子 / プラセオジウム化合物 / ヴァン ブレック常磁性体 / 交換相互作用 / 超微細相互作用 / 強相関 |
研究概要 |
核の磁性はその磁気モーメントが電子に比べて3桁小さいが故に、核スピンによる磁気相転移はマイクロケルビン以下で起こる。ところが、Van Vleck常磁性体では、電子の磁気モーメントが部分的に復活し電子間の交換相互作用が生まれ、磁気相転移が可能となる。この交換相互作用が強い場合には、電子主導による磁気相転移となるが、弱い場合には超微細相互作用を介して、核スピン間の相互作用で核主導の磁気相転移が見られる。 本研究では、プラセオジウム化合物の中でも典型的な核主導の磁気相転移を引き起こすPrCu6を選び、電気伝導に対する核の磁気相転移が及ぼす影響について調べた。核磁気相転移が電子の輸送現象である電気抵抗に及ぼす効果を調べた結果、電気抵抗は転移温度で測定周波数に強く依存した鋭いピークを示し、転移後の減少すること、また外部磁場によって転移のぼやけが生じることが我々の研究でわかってきた。 今回、電気伝導との対比の意味で、帯磁率測定と磁化測定を行った。その結果、電気抵抗のピーク現象は推定した通り帯磁率からの寄与であり、電気抵抗の減少は磁化の増加に対応していることが明らかにした。また磁化の磁場依存性は散乱理論の最低次の近似式とよく一致する結果が得られた。さらに正のワイス温度と磁化の突然の発生から、転移は強磁性的である。測定磁場の範囲で磁化の飽和がないこと、および零磁場では磁化がわずかしか出ないことから、磁気モーメントの向きは測定磁場と垂直のb軸(Van Vleck帯磁率が最も大きい軸一容易化軸と考えられている)方向であると考えられる。
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