研究課題/領域番号 |
08225215
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
清水 昭比古 九州大学, 総合理工学研究科, 教授 (20128036)
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研究分担者 |
横峯 健彦 九州大学, 総合理工学研究科, 助手 (40240204)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | エクセルギー / 固気熱交換器 / 高温粉体 / 直接混合 / 軸流サイクロン |
研究概要 |
種々の工業プロセスから中間製品または廃棄物として現れる高温粉粒体から熱を高効率で回収して各種用途に有効利用するために直接混合軸流サイクロン型固気熱交換器を開発した。受熱ガスは通常のサイクロン分離器の接線方向吹き込み速度に軸流成分を持たせ、一方、与熱側高温粉粒体は装置中心管から供給する。吹き込み旋回流によって得られた遠心力により供給後の粒子は壁へと向かう。この間にガスと粉体は中心部で向流型の熱交換を行う。実験および数値計算により、ガス吹き込み角度、粒子供給位置等の最適化を行い、さらに、供給直後の粒子分散状態を促進し、粒子群とガスとの良好な混合を実現するために、粒子供給口直下にコマ型拡散盤を設置した。拡散盤がない場合、粒子群は供給後サイクロン部入口付近まで高濃度状態を保ったままほぼ直線的に落下し、その後、気相旋回運動に同伴し吹き分けられ、ガス流はこの粒子高濃度領域を避けて反転する。一方、拡散盤をつけると、ガス流への粒子群の影響を押さえることができる。このことは温度場にも影響し、拡散盤がある場合、粒子は分散盤から離れて壁に到達するまでに気相上昇流と熱交換を終え、拡散盤によって生じた希薄粒子雲が気相との良好な混合・熱交換に寄与するが、拡散盤が無い場合には、気相が粒子高濃度領域を避けて反転する付近でしか熱交換が行われない。本熱交換器を、(単位時間にガスが受け取った熱量)/(単位時間に装置に流入した熱量)で定義する熱効率で評価すると、拡散盤の有無でそれぞれ86.3%、60.5%となり、拡散盤による熱交換性能の向上が確認され、また、単純混合・分離方式(50%)に優ることを示している。本熱交換器は、大規模な設備を必要とせず、粉体の供給回収に要する部分を除けば機械的駆動部も要らない簡単な構造であり、既存の工業プロセスにおける高効率エクセルギー変換、省エネルギー化を進めることが期待される。
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