研究課題/領域番号 |
08226212
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高山 一 東京大学, 物性研究所, 教授 (40091475)
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研究分担者 |
福島 孝治 東京大学, 物性研究所, 助手 (80282606)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
600千円 (直接経費: 600千円)
1996年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | スロー・ダイナミックス / ゲル電気泳動 / ボンドゆらぎ模型 / sieving領域 / reptation領域 / エンジング現象 / スピングラスSK模型 |
研究概要 |
昨年度から行っている、高分子のゲル電気泳動に関する研究に関して、ボンドゆらぎ模型によるシミュレーションの高速化を計るためのプログラムの改良(特に演算のベクトル化)を進めるとともに、ゲル(障害物)間隔αと高分子の慣性半径R_Iとがほぼ等しい領域を中心として、sieving領域(a>>R_I)からreptation領域(a<<R_I)にかけての高分子の振る舞いを解析した。その結果、モノマー数Nの高分子の拡散係数Dが、sieving領域におけるD〜N^<-1>の依存性からreptation領域におけるD〜N^<-2>の依存性へのクロスオーバーが見られた。現在、数値精度を上げた検証を進めている。 (高分子系)ガラス物質を、ガラス転移温度T_gの高温側からT_g以下のある温度Tに急冷すると、その温度Tの平衡状態に達するまでにきわめて長い時間を要する。エイジング現象とよばれるものであり、ガラス物質にみられる典型的なスロー・ダイナミックスの一つである。本年度、このエイジング現象のシミュレーションを行うプログラムの開発を開始した。その取組と並行して、スピングラスにおけるエイジング現象のモンテカルロ・シミュレーションによる研究を行い、特に、スピングラスSK模型におけるエイジング現象について、種々の物理量の振る舞いを詳しく解析した。その結果、SK模型に関しては多数の準安定状態が存在することが既に知られているが、その位相空間において、系が高いエネルギーの準安定状態から熱活性化過程で順次より低いエネルギーの準安定状態へ、それぞれの時間スケールで位相空間の限られた領域で準平衡を保ちながら緩和していく機構を明らかにし、これを“Growth of Quasi-Equilibrium Domains"のシナリオとして提起するに到った。
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