研究課題/領域番号 |
08226221
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
石井 克哉 名古屋大学, 工学部, 助教授 (60134441)
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研究分担者 |
金田 行雄 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授 (10107691)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 相分離現象 / 液滴 / 表面張力 / 粘性の異なる液体 / TDGL方程式 / ストークス方程式 / 軸対称数値シミュレーション / メソスコピック |
研究概要 |
ある臨界温度以下で発生する二相流体中の相分離現象、特に後期課程における液滴の形状の違いによる液体の物性変化を解明するため、液滴の界面付近に発生するメソスコピックな運動についての解析を行った。このため、ある方向に一定の温度勾配をもつ臨界温度以下のある相(B相)の液体中に別の粘度の異なる相(A相)の液滴が存在する場合を考え、解析を行った。 重力を無視すると、表面張力の温度依存性による力と、速度に比例する流体力学的な力を受け、液滴は準定常な運動をする。このため、粘性の異なる二相の非相溶な液体は粗視化したGin zburg-Landau タイプの自由エネルギーを持つとする。これに従い、平均の速度場で移流される効果を含んだA相の体積率の時間変化を、TDGL方程式、準定常なストークス方程式により記述し、軸対称の仮定の下で計算コードを開発し、数値シミュレーションを行った。 シミュレーションの結果より、相分離後期過程の液滴において、以下のことが分かった。 1.二相の粘性の差によって、流体力学的相互作用は大きく変化する。 2.界面幅が液滴の半径に比べ十分に小さくはない場合、実効的な流体力学的液滴の半径は実際の液滴の半径より大きくなり、より大きな流体力学的効果をもたらす。 ここで解析した流れは、メソスコピックな場での自由エネルギーに起因する運動と、流体力学的な運動が同時に重要である例であり、今後液滴の非定常な運動、多数の液滴が存在する場合の長距離相互作用である流体力学的相互作用を解析するための基礎となる。シア-中の二液滴の相互作用を現在解析中である。
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