研究課題/領域番号 |
08227212
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
吉崎 亮造 筑波大学, 物理工学系, 教授 (70011137)
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研究分担者 |
木戸 義勇 金属材料技術研究所, 総合研究官
古谷野 有 筑波大学, 物理工学系, 講師 (00215419)
池田 博 筑波大学, 物理工学系, 講師 (50272167)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 高温超伝導体 / Bi-2212 / Bi-2201 / 置換効果 / 磁気抵抗効果 |
研究概要 |
Bi-2201単結晶について、Laをドープすることによりキャリヤ-数を不足側から過剰側まで変化させることに成功し、なお最適ドープ時の超伝導転移温度29Kを達成することが出来た。この試料について低温磁気抵抗効果の測定を行った。ab面内に電流を流したときの磁気抵抗は100K以上で正であり、なお、磁場と電流の相対的な向きに依存しなかった。このことは磁気抵抗効果の主原因がスピンによるものであることを示している。100K以下では超伝導の影響があり、磁気抵抗効果のみを取り出すことが困難であった。一方、c軸方向の面間伝導の磁気抵抗は、100K以上ではやはり正であるが、温度の低下とともに約50K以下で負の磁気抵抗効果を示すようになった。面間磁気抵抗効果も磁場と電流の相対的な向きによらず、スピンが主原因であることを示している。負の磁気抵抗は温度の低下とともに増大した。この磁気抵抗効果の係数の温度依存性をスピン系にギャップが生じることに依るものとして解析したところ、最適ドープの試料についてはギャップの大きさは約85Kであった。不足側、過剰側の試料ともにギャップの大きさは減少した。 Bi-2201単結晶の面間電気抵抗の温度依存性について調べた。不足側、過剰側の試料については見かけ上電気抵抗はlog(1/T)の温度依存性を示すが、我々は、磁場による効果の検討、超伝導揺らぎの効果の検討などから真の抵抗はlog(1/T)の温度依存性より急であることを示した。実際、最適ドープの試料では、零磁場での面間電気抵抗はexp(Δ/T)型によく合致することが分かった。この解析から求まったギャップエネルギーΔは、約30K程度であった。
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