研究課題/領域番号 |
08227213
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
有馬 孝尚 筑波大学, 物質工学系, 助教授 (90232066)
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研究分担者 |
村上 洋一 高エネルギー物理学研究所, 放射光実験施設, 助教授 (60190899)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | X線磁気散乱 / 電荷整列 / 反強磁性 / 軌道交替秩序 / X線吸収端 / マンガン酸化物 |
研究概要 |
層状ペロブスカイト型マンガン酸化物La_<1-X>Sr_<1+X>MnO_4系において放射光X線回折を利用して電荷、スピン、軌道のそれぞれの秩序についての研究を行い、以下のことを明らかにした。 1.x=0.5の組成を持つ試料について a)本来の格子系の2倍、および、4倍の周期に対応するX線超格子反射を観測した。 b)超格子反射の強度のX線エネルギー依存性を測定した。マンガンのK吸収端付近で共鳴を示すことを測定し、マンガンの3d電子に由来する秩序状態であることを明らかにした。 c)超格子反射のX線の入射方向依存性を測定した。4倍周期に対応する超格子反射の強度は入射方向に対して著しく変化し、縮退した3d_γ軌道の整列(軌道交替秩序)に由来するものであることが分かった。一方、2倍周期に対応する超格子反射は入射方向依存性がほとんどなく、3価と4価のマンガンイオンの整列(電荷整列)に起因する。 d)超格子反射強度の温度変化を測定した。電荷整列、軌道整列にいずれに対応する超格子についても、電気抵抗の急峻な変化が見られる温度(およそ220K)から低温側で2次転移的に強度が増加することが分かった。 2.x=0の組成を持つ試料について a)反強磁性相でX線超格子反射を観測した。これはX線磁気散乱によるものであり、遷移金属酸化物系では初めての観測となる。 b)磁気超格子反射と基本反射との強度比較より、スピンの熱平均値が0.65μ_Bと見積もられ、イジング的な描像よりかなり小さい。 c)磁気超格子反射の半値幅より、磁気相関長を精度よく求めることに成功した。マンガンと酸素からなる2次元面内では1000オングストローム程度であり、結晶全体に反強磁性秩序がひろがっていることがわかる。
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