研究課題/領域番号 |
08227217
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
北沢 宏一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90011189)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 高温超伝導体 / STM / トンネルスペクトロスコピー / 超伝導ギャップ / ク-パ-対対称性 / 異方的超伝導 |
研究概要 |
独自に開発した低温型STM装置を用い、Bi系劈界面及びY系薄膜のSTM/STS観察を行なった。 Bi系劈界面は、多くの場合半導体的なスペクトルを示した。しかし、探針を試料表面に近づけたバイアス条件下で走査することにより、表面劣化層をc軸長の半分を単位としてエッチングできることを見いだした。また、エッチングされた表面上では再現性良く超伝導ギャップ構造が観測された。 量子化磁束の観察を目的とし、0.5〜6Tの磁場下でSTS測定を行なった。しかし、量子化磁束格子は観測されず、2D-3Dクロスオーバー以上の磁場下では、STM探針がパンケーキボルテックスを移動させているものと考えられる。 Y系超伝導体のトンネルスペクトルは、以下のようにd波超伝導の予想とは異なるギャップ異方性を示した。(100)面上では、2Δ〜25meVのギャップが再現性良く観察された。一方、(110)方向では、試料-探針間距離が近い場合にのみゼロバイアス異常(ZBA)を示したが、磁場の印加によりZBAは消失した。従って、ここで観測されたZBAは試料-探針の接触によるリ-ク電流など外的な要因によるものと考えられる。また、(110)のギャップ値は2Δ〜40meVであり、d_<x2-y2>対称性とは矛盾する結果となった。
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