研究課題/領域番号 |
08227218
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
為ヶ井 強 東京大学, 工学系研究科, 助教授 (30183073)
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研究分担者 |
芝内 孝禎 東京大学, 工学系研究科, 助手 (00251356)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 磁場侵入長 / 超伝導対称性 / 高温超伝導体 |
研究概要 |
低温におけるλ(T)は準粒子の状態密度を反映し、s波の場合では指数関数的となるのに対して、純粋なd波の場合には温度に比例する。しかし、CuO_2面内に電流が流れるλ_<ab>(T)は、非超伝導層の存在からs波の場合でも温度に比例する可能性がある。したがってλ_<ab>(T)のみからの対称性の議論は危険である。このような場合でも、電流が面に垂直に流れる場合にはs波とd波で大きく温度依存性が異なるため、この方向のλ_c(T)の測定が重要となる。また、同じマイクロ波の技術を用いて層状超伝導体に特有のジョセフソンプラズマ共鳴の測定から、高温超伝導体の磁束状態に関する研究も行った。 Bi_2Sr_2CaCu_2O_<8+y>単結晶および不純物としてZn、Niをドープした良質の単結晶をFZ法により作製した。純粋なBi_2Sr_2CaCu_2O_<8+y>は様々な雰囲気でアニールすることにより、キャリア濃度の違うものを用意した。磁場侵入長の測定には10GHz超伝導空洞共振器を用いた。アンダードープからわずかにオーバードープの試料では、λ_cは低温で温度に比例する。このふるまいはBi_2Sr_2CaCu_2O_<8+y>における超伝導対波動関数の対称性がd波であることを示唆している。一方、オーバードープした試料やZnを0.2%、0.6%混ぜた試料では低温でのλ_c(T)が温度の2乗に比例するふるまいが見られた。これは、d波超伝導体における対破壊効果の現われである。Niを0.9%混ぜた試料では低温においてλ_c(T)は温度に比例したままであった。このことは、ZnよりもNiの方が対破壊効果が弱いことを示唆している。 Bi_2Sr_2CaCu_2O_<8+y>におけるジョセフソンプラズマ共鳴の測定を様々な酸素量を持った試料に対して行い、λ_cの大きさが酸素量の減少とともに長くなっていくことを直接に確認した。
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