研究課題/領域番号 |
08227234
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
笛木 和雄 東京理科大学, 理工学部, 教授 (80010750)
|
研究期間 (年度) |
1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1996年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | 高温超伝導 / Bi系2201 / Bi系2212 / 吸収スペクトル / 中赤外域 / 過剰酸素 / 酸素オーバード-ピング |
研究概要 |
ナフテン酸の金属塩のトルエン溶液を、MgOなどの単結晶基板の上にスピンコートして乾燥後、500℃で焼成する操作を数回繰り返した後、800℃で焼成して厚さ2000Åの高配向性高温超伝導膜を作製した。種々の条件で酸素アニールを行った後、反射率R及び透過率Tを測定し、膜分析により厚さdを算出し、α=-1/d{1n(1-R)^2-1nT}の式により吸収係数αを算出した。 Bi_2(La_<1-x>Sr_x)_2CuO_yの場合、ヨードメトリによって得られた過剰酸素量は(x-0.5)に比例した。また吸収測定では、光子エネルギーEp=1.2eVで吸収端が観測され、xが増すにつれて中赤外域が現れ、Ep一定の吸収係数は0.5<x<0.8では(x-0.5)に比例し、x>0.8では減少した。これらの結果を総合して、過剰酸素によって価電子帯上部に空準位(ホール)が生成し、価電子帯内部の電子遷移によって中赤外域の吸収が生ずると結論した。なお、過剰酸素量が増加しαが減少するx>0.8の領域は酸素オーバード-ピング領域とほぼ一致しているので、オーバード-ピングの現象は過剰酸素の状態に変化が出たためであろうと結論した。 Bi_2Sr_2(Y_<1-x>Ca_x)Cu_2O_yの場合には、x>0.2の組成領域では酸素不足n型)、x>0.2では酸素過剰であることが、ヨードメトリによって明らかにされた。酸素過剰領域では、過剰酸素量は(x-0.2)に比例した。また吸収スペクトルではEp=1.2eV付近に吸収端が観測された。中赤外域の吸収係数は過剰酸素量に比例することから、Bi_2(La_<1-x>Sr_x)_2CuO_yの場合と同じように過剰酸素量により生じた空準位に価電子帯の電子が励起されることにより中赤外域の吸収が生ずるものと結論された。
|