研究課題/領域番号 |
08228102
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
山本 啓之 岐阜大学, 医学部, 助手 (30182645)
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研究分担者 |
牧 陽之助 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (90048520)
川上 紳一 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (80183036)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1996年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | バイオマット / 温泉 / 好熱性細菌 / 地球史 / 原始共生系 |
研究概要 |
1996年に実施した温泉バイオマット調査 5月24-26日(長野県中の湯、岐阜県平湯)、8月1-3日(青森県恐山) 8月8-10日(長野県湯俣、中の湯、岐阜県平湯)、11月2-4日(奈良県湯の峰) 以上の地点から採取したバイオマットについて、1)顕微鏡観察、2)キノン分析、3)rRNA遺伝子の解析を実施した。また温泉バイオマットが形成されている環境での安定同位体比の測定を実施した。調査の結果、温泉バイオマットは顕微鏡観察とキノン分析により化学合成型と光合成型に識別することができた。またrRNA遺伝子の解析により、化学合成型バイオマットには進化系統が古い細菌、光合成型バイオマットからは好熱性シアノバクテリア等の存在を認めた。環境要因との関係では、温度、硫化水素、溶存酸素および酸化還元電位などがバイオマット微生物の構成に影響していると推定された。バイオマットカタログの作製は、顕微鏡観察の結果をデジタル映像として取り込むために必要な機器を購入し、採取した試料の観察結果を順次デジタル化してデーターベースとして保存した。カタログの公開方法としてはインターネットやCD-ROMを検討している。地球史におけるバイオマットの役割に関する検討では、高温条件(70°C以上)で形成される化学合成型バイオマットによる生態系モデルが初期地球環境を具現していると推測された。さらに初期地球生態系でのエネルギー代謝では硫黄とその化合物を利用していたとの仮説をもとに、化学合成型バイオマットでの物質循環を検証するため硫黄と炭素の安定同位体比の測定をした。初期地球の生態系を推定するために、地球科学の調査結果と照合しモデル構築をはかる事が今後の課題である。
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