研究課題/領域番号 |
08228202
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
下山 晃 筑波大学, 化学系, 教授 (30134084)
|
研究分担者 |
三田 肇 筑波大学, 化学系, 助手 (00282301)
|
研究期間 (年度) |
1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1996年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
|
キーワード | 先カンブリア時代 / 光合成有機物 / クロロフィル / ポルフィリン / マレイミド / 新第三系堆積岩 / 19億年前のストロマトライト / 38億年前のイスア岩石 |
研究概要 |
本研究では、先カンブリア時代の光合成に関連した有機物について堆積岩を調べることを目的とし、先ず実験室でクロロフィルの加熱を行い種々のポルフィリンへの変化を明らかにした。次に山形県新庄盆地の新第三系(約800万年前)の堆積岩中にどのようなポルフィリンが存在するか、さらにマレイミドが存在するを調べた。最後に先カンブリア時代のGreat Slave Lakeストロマトライト(19億年前)とイスア岩石(38億年前)中のポルフィリンの検出を試みた。 分析の結果は新第三系の堆積岩からヴァナジル-およびニッケル-ポルフィリンを検出した。また、堆積岩中に遊離態で存在するマレイミドとして、3-エチル-4-メチルマレイミド、3,4-ジメチルマレイミド、3-メチルマレイミド、フタルマレイミド、メチルフタルイミド、3-メチル-4-n-プロピルマレイミド、3-n-ブチル-4-メチルマレイミドを検出した。さらに抽出残渣をクロム酸酸化することにより、結合態として上記のマレイミドに加えて、3-メチル-4-n-ペンチルマレイミドを検出した。結合態のものにはアルキル側鎖の長いマレイミドが含まれており、これよりポルフィリンはアルキル側鎖などで他の有機物と結合し不溶性有機物中に存在することが判明した。また結合態のものが遊離態のものより1桁多く、ポルフィリンは年代と共に不溶性有機物中に取り込まれることも明らかとなった。 先カンブリア時代のGreat Slave Lakeストロマトライトとイスア岩石について有機溶媒に可溶性なポルフィリンの検出を試みたが、その存在を確認することはできなかった。しかし、これらの試料中にプリスタンとファイタンの存在を確認したので、ポルフィリンは不溶性有機物中に取り込まれ結合態マレイミドとして検出される可能性があることが示唆された。
|