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地球環境における炭素フラーレンの探索

研究課題

研究課題/領域番号 08228207
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関名古屋大学

研究代表者

菅井 俊樹  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50262845)

研究分担者 篠原 久典  名古屋大学, 大学院理学研究科, 教授 (50132725)
研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
キーワード犬山P / T境界 / 生物の大絶滅 / C_<60> / HPLCによる検出 / アレイ検出器による分光学的同定
研究概要

犬山P/T境界試料中にわれわれは、フラーレンC_<60>を発見し、分光学的に同定することに成功した。C_<60>はサッカーボール型分子でフラーレンの代表的物質であり、これまで主に実験室で合成されてきた。ところが近年、恐竜が絶滅した6500万年前のK/T境界の試料中にC_<60>が発見されるなど、天然試料中にも存在することが明らかになってきた。この地球環境におけるC_<60>をはじめとする炭素フラーレンは木材などの有機物の燃焼や、雷などにより炭素を含む物質が蒸発・反応したことにより生成すると考えられている。フラーレンは生成条件が上述したように特殊であり、また生成後は非常に安定で水にも不溶である。これらの性質から生成時の地球環境を推測する新しい指標として有望である。
われわれがC_<60>を発見した2.5億年前のP/T境界では、全地球史史上最大規模の生物の大量絶滅が起こり、海洋生物種の95%が絶滅した。この原因として、超大陸パンゲアの生成による地殻・気候変化と海洋における酸素欠乏などがあげられているが、物証が少なくよく分かっていない。C_<60>は酸素や水素の少ない条件下で効率よく生成するので、P/T境界時のC_<60>の地殻存在濃度を時代を追って調べることにより、各時代にどのような自然環境であったかが明らかになり、生物の大絶滅を解明できる可能性がある。
具体的には以下のような方法でC_<60>を発見した。まず愛知県犬山の2.5億年前の黒色泥岩層から約2kgの試料をとり粒径1mm以下に粉砕した。つぎに、珪素や鉄などのC_<60>以外の部分を取り除くため弗化水素酸で一月間溶解させた。C_<60>が含まれている不溶部分をろ過して取り出し、トルエンで超音波洗浄を用いてC_<60>を抽出した。抽出溶液を高速液体クロマトグラフィーとアレイ型検出器を用いて検出・同定した。濃度は1ppb程度であった。現在のところ生成原因は陸上植物が山火事などで燃焼した結果生成したものと考えている。P/T境界時の自然環境との関連は現在考察中である。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] T.Sugai,H.Shinohara: "Production and mass spectroscopic characterization of ammonium halide clusters" Chem.Phys.Lett.264. 327-332 (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] T.Sugai,H.Shinohara: "Production and characterization of therrmally -annealed large closters by High-pressure laser-vaporization technique" Z.Phys.D. (in press). (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] T.Nakane, Z.Xu, E.Yamamoto,T.Sugai,T.Tomiyama,H.Shinohara: "A Review of Endohedral Metallofullerenes : Stractores and Properties" Foll.Sci.Tech.(in press). (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] 篠原久典・齋藤弥人: "フラーレンの化学と物理" 名古屋大学出版会, 283 (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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