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黒色頁岩:その形成メカニズムと物質循環モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 08228220
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関北海道大学

研究代表者

河村 公隆  北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (70201449)

研究分担者 大河内 直彦  北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (00281832)
研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード黒色頁岩 / 白亜紀 / ホパノール / ホパン酸 / 窒素同位体比 / 原核生物 / バイオマーカー
研究概要

本年度は,イタリアの白亜紀チュノマニアン/チュロニアン境界層で採取した有機物に富んだ黒色頁岩(全有機態炭素で16%)およびその周辺の岩石をキャピラリーガスクロマトグラフ(GC)、GC/質量分析計にて分析し、アルカン、アルコール、、カルボン酸の分布を明らかにした。その結果、この白亜紀黒色頁岩中には、微生物起源のホパノールとホパン酸が極めて高い濃度で存在することが明らかとなった。一方、堆積物中に一般的に存在するノルマルアルコールは微量でしか存在しないことがわかった。これらの結果は、シアノバクテリアまたはメタン酸化細菌のような原核細胞を持つ微生物がホパノール・ホパン酸の生成に大きく寄与したことを示唆した。また、この黒色頁岩の窒素安定同位体比を測定したところ,-2から0パミールという低い値を示た。この低い窒素同位体比は、周辺の岩石には一般に認められず、黒色頁岩に特有なものであった。この結果は、黒色頁岩中の有機物は大気中の窒素を直接に固定するような微生物によって生産されたものであることを強く示唆した。バイオマーカーと窒素同位体の結果から、黒色頁岩の形成にはシアノバクテリアが大きく寄与していることが結論づけられた。
現在、EPMA(Electron Probe Micro Analyzer)分析によって得られたアルミニウムなど金属元素の測定値より堆積速度の推定を行っており、これに基づいて有機物や各化合物の沈堆速度(フラックス)を計算しつつある。その予備的結果によれば、黒色頁岩形成の時代における炭素のフラックスは他の時代に比べ数十倍になったと見積もれら、この時代には生物ポンプが強力に駆動した可能性が指摘される。現在、本年度得られた結果をもとにして、黒色頁岩が形成された時代の、大気・海洋・堆積物リザーバー間でのグローバルな炭素・窒素循環モデルを検討中である。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K. Kawamura: "Ice core record of fatty acids over the past 450 years in Greenland." Geophysical Res. Lett.23. 2665-2668 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] K. Kawamura: "Water soluble dicarboxylic acids and related compounds in the Antarctic aerosols." J. Geophys. Res.101-D13. 721-18, 728 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] K. Kawamura: "Enhanced atmospheric transport of soil derived organic matter in spring over the high Arctic" Geophys. Res. Lett.23. 3735-3737 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] Ohkouchi, K.: "Fluctuations of terrestrial and marine biomarkers in the western tropical Pacific during the last 20,000 years." Paleoceanography. (in press).

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] N. Ohkouchi: "Latitudinal distributions of terrestrial biomarkers in the sedimentsfrom the Central Pacific." Geochim. Cosmochim. Acta. (in press).

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] N. Ohkouchi: "High abundances of hopanols and hopanoic acids in Cretaceous black shale." Ancient Biomolecules. (in press).

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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