研究課題/領域番号 |
08228225
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
伊藤 繁 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助教授 (40108634)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1996年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 光合成 / 反応中心 / クロロフィル / キノン / 電子移動 |
研究概要 |
先カンブリア時代のバイオスフェアを制覇し、無酸素型の原始地球環境を酸素型に大きく変えたシアノバクテリアを含む光合成細菌の起源と進化を探った。(1)現生生物の光合成反応機構の解析から生物にとってただ同然の太陽光と水をつかって自動的にエネルギーを生産する反応中心の特殊性-反応の最適化機構-を検討した。(2)光合成能を失いつつある生物、あるいは、潜在能力として光合成能を保持する生物を広く探査し、光合成反応進化の原理を見直した。(3)電子移動の最適化ルールは生体系のみならず、ひろく有機・無機分子間の電子移動にも適用されうる。生命誕生以前にもっと簡単な光電変換をする分子システムが自然発生した可能性が高い。そのような仮想的な分子システムを現存の光合成系、呼吸系の構造から検討した。生物の進化上の種(系統)の分岐・発生や大絶滅と同様、光合成に関する事象にも謎が多いが、無酸素下の地球でどのようにして始原的反応中心が誕生し、酸素発生装置が生み出された(36億年前?)のか、また、なぜシアノバクテリア時代がながく続き、真核生物の出現(15億年前)まで異常にヒマがかかったのかを分子進化、生体反応の機構の進化を通じて考察した。生物学・化学・物理学を融合させた境界領域を開拓し、生体光合成反応を物質間の物理化学反応としてとらえ、生命活動の普遍性を地球惑星科学、、地質学もふくめて検討し、太古代・原生代の地球史との関連を解析した。異分野間の研究協力により、生命進化についての地球環境の役割を一部解明した。
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