研究課題/領域番号 |
08229101
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
湯上 浩雄 東北大学, 工学部, 助教授 (60192803)
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研究分担者 |
松下 栄子 岐阜大学, 工学部, 助教授 (20183105)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1996年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 固体電解質 / エネルギー変換 / プロトン導電体 / ラマン散乱 / トンネリング効果 / 化学拡散 / 電子-イオン混合導電体 |
研究概要 |
YSZ中の酸素イオンの化学拡散は、少数キャリアーである電子や正孔の自己拡散速度により律速される。我々は、光学的に電子濃度や酸素の拡散速度を調べることを目的に、電子ラマン分光法を用いて、redox-activeなイオンを大量にドープした時の電子捕獲中心のイオン拡散に対する影響を調べた。 本研究ではCeをドープしたYSZの還元雰囲気におけるCeイオンの価数変化の酸素分圧依存性をラマン分光法を用いて測定し、その電子伝導機構に対するCeの影響についての解析を行った。その結果、低酸素分圧下においては、より浅い捕獲中心であるYSZのバンドテ-ルの状態密度が減少するため、深い順位にあるCe^<3+>にほとんどの電子が捕獲されていると考えられる。このため、Ce-YSZの全電気伝導度は低酸素分圧下で減少していると考えられる。 また本研究では、ペロフスカイト型酸化物SrTiO_3におけるプロトン誘導型の電気伝導を理論的にしらべた。まず、軽いイオンであるプロトンの運動を量子力学的に計算し、酸素ネットワーク上でトンネリングやホッピングが可能な条件をつきとめ、活性化エネルギーや赤外吸収スペクトルの実験データと照合することにより、伝導機構を考察した。その結果、0-0間距離が2.65Åのところで、量子効果(零点振動、トンネル運動)のHとDとの差が最大となり、ホッピングが可能となる条件を満たし、かつそのときRH-H=0.5Åと求められた。この理論結果は、中性子回析とMDシミュレーションの結果を両立させて解釈できるものとなり、プロトン導電体の解明に向けて大きく前進させるものである。
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