研究課題/領域番号 |
08229203
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宮本 明 東北大学, 工学部, 教授 (50093076)
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研究分担者 |
久保 百司 東北大学, 工学部, 助手 (90241538)
ADIL Fahmi 東北大学, 工学部, 講師 (20282105)
ANDRAS Stir 東北大学, 工学部, 講師 (30271860)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 固体イオニクス / 分子動力学法 / YSZ / 歪人工超格子 / CeO_2 / 酸素イオン拡散 / ホタル石型構造 / 分子設計 |
研究概要 |
固体イオニクスにおいては、酸素イオン、プロトンなどイオンの固体中での高速な動きを実現することが重要である。著者らは、固体電解質をそれよりも格子定数の大きさ固体材料で挟みこんだ人工超格子を作成し、固体電解質の構造を歪ませることによって、酸素イオンの拡散を高速化できるのではないかと考えた。そこで分子動力学(MD)法を活用し、固体電解質として広く活用されているYSZの歪人工超格子を作成し、酸素イオン拡散速度の検討を行った。 具体的には、YSZをそれよりも格子定数の大きな固体材料で挟みこむことによって、YSZのa軸方向、b軸方向の格子定数が伸ばされると、酸素イオンの拡散パスに関係するZr-ZrまたはZr-Yの原子間距離が広げられる。これにより酸素拡散のための活性化エネルギーが低減し、酸素イオンの拡散が高速化されると考えた。まず、YSZを挟みこむのに適切な固体材料の選択をする前に、YSZ固体(10.2mol%Y_2O_3)のa軸方向とb軸方向の格子定数を強制的に2.5%、5%、7.5%膨張させた系についてMD計算を行ない、酸素拡散の挙動を調べた。その結果、たった2.5%の格子膨張で2倍弱、5%の格子膨張で約3倍、7.5%で約4倍もの高い拡散速度を得られることが明らかとなった。 YSZ(10mol%Y_2O_3で格子定数は5.145Å)よりも格子定数が大きく、YSZとエピタキシャルな関係で結晶成長が可能な材料の候補として、同じホタル石型構造を持ち、格子定数が5.411ÅのCeO_2を考えた。そこで、YSZ(10.2mol%Y_2O_3)をCeO_2に挟みこんで歪人工超格子を作成し、酸素拡散の挙動をMD法により解析した。その結果、YSZ単体に比べ、YSZ/CeO_2歪人工超格子中の酸素イオンの拡散係数は約2倍の値をとることが明らかとなった。
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