研究課題/領域番号 |
08229209
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
橋本 拓也 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (20212136)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 鉛ビスマス酸バリウム / 酸素不定比性 / 結晶構造 / 酸素拡散 |
研究概要 |
酸度イオン導電体は、燃料電池やガスセンサーに使用されている固体電解質等への応用が期待されている高機能材料である。現在この作動温度の低温化が工学的側面から要請されている。低温で作動する酸素イオン導電体の材料探索の一環として、Biを含み結晶対称性が良いBaPb_<1-x>Bi_xO_<3-δ>の酸素不定比性・結晶構造・酸素拡散を調査、低温作動型酸素イオン移動材料と成り得るか否かを評価した。熱天秤を用いた各種組成のBaPb_<1-x>Bi_xO_<3-δ>の酸素不定比性測定からは、Bi量が多いほど酸素欠損が安定であり、酸素イオン移動材料として有望である事が解った。しかしながらエンドメンバーのBaBiO_<3-δ>は、Pbを添加した試料にはないδによる構造相転移があり、この転移のスピードが極めて遅いため、酸素イオン移動材料としては不向きであることを明らかにした。また放射光を用いた高精度X線回折の結果からBi量が0.5以上の試料では、結晶系は電化密度波によるエネルギーギャップがある単斜晶であり、電子伝導が抑制されていると考察された。以上の結果から最も有望と考えられたBaPb_<0.25>Bi_<0.75>O_<3-δ>について、実際に重量緩和法による酸素の化学拡散定数測定を行った。その結果、本物質は700℃で10^<-4>cm^2/s台の化学拡散係数を示した。これを物質量である空孔拡散係数に換算し他の酸化物イオン伝導体との比較を行った所、本物質は700℃という比較的低温でも他の導電性酸化物と比べて高い拡散係数を持ち、新酸素イオン輸送材料として有望であることが示された。
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