研究課題/領域番号 |
08229212
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
山本 隆一 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (10016743)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 高分子固体電解質 / 高いガラス転移温度 / ポリビニルアルコール / ポリパラバン酸 / 固体型電気二重層コンデンサー / オリゴチオフェン / エレクトロクロミック特性 |
研究概要 |
本研究では、従来研究対象となっていたポリエチレンオキシドと比較して高いガラス転移温度(Tg)を持ち、かつ効率良く塩を溶解させることの可能な極性基・配位基の導入された各種高分子をマトリクスとする高分子固体電解質を作製し、得られた高分子固体電解質中のイオン輸送現象を明かにすることを目的とする。 ポリビニルアルコール(PVA)(Tg=85℃)、ポリパラバン酸(PPA)(Tg=350℃程度)に加えて、各種ポリイミド類やアルキル置換ポリビピリジン、ポリキノリンなどの比較的Tgの高い高分子を高分子マトリクスとして用いて対応する高分子固体電解質の作製を行った。リチウム-高分子固体電解質(リチウム塩1g/高分子1g)の電気伝導度は、10^<-3.5>Scm^<-1>、リチウム-PPA固体電解質の場合で10^<-5.5>Scm^<-1>であった。リチウム-PPA高分子固体電解質では、180℃で10^<-2>Scm^<-1>という電気伝導度を示し200℃付近まで安定に存在し、高い熱安定性を有することもわかった。PPA、PVA高分子固体電解質は、従来と比較して高濃度までリチウム塩を均質に溶解させ、高分子マトリクスのTgより低い温度領域で良好なイオン導電性を示すことがわかった。さらに、PVA-リチウム塩系高分子固体電解質を用いた全固体型電気二重層コンデンサーを作製した。コンデンサーは、充放電電流効率は90%以上で、可逆的な充放電が50サイクル以上可能であた。さらに、このコンデンサーの電気二重層容量は湿式型電気二重層コンデンサーとほぼ同じであった。 側鎖にオリゴチオフェンを有するPVA高分子固体電解質の作製を行い、そのエレクトロクロミック特性を紫外可視吸収スペクトルにより解析した。酸化側で青色、還元側で赤色へと変化するポリチオフェンと同様なエレクトロクロミック特性を示すことがわかった。
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