研究課題/領域番号 |
08229220
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
高田 雅介 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (20107551)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | GdBa_2Cu_3O_<7-δ> / 赤熱点 / 酸化物イオン伝導 / 交流電場 / 酸素分圧依存性 / 周波数依存性 / 流速計 / 酸素センサー |
研究概要 |
酸素欠損型化合物であるGdBa_2Cu_3O_<7-δ>セラミックスの線材に室温で一定以上の直流電圧を印加すると、試料上に局所的に赤く光る赤熱領域が発生し、その赤熱点が電流方向に毎分数mmの速度で移動するという新しい現象を見いだした。この赤熱点の移動メカニズムは、赤熱点内部における酸化物イオンの正極方向への移動に起因するという仮説を提案した。また、酸素分圧の増加に伴う赤熱点の移動速度の増加は、赤熱点内部における酸化物イオン伝導性が向上したためであるとして説明してきた。 以上のように、直流電圧印加時の赤熱点の移動が赤熱点内部での酸化物イオンの移動に起因するのであれば、印加電圧を交流にすることにより酸化物イオンの移動方向は単方向のみではなくなり、赤熱点の移動の様子が変化することが期待される。そこで本研究では、赤熱点内部における酸化物イオンの伝導性についてより詳しく検討することを目的として、交流電圧を試料へ印加し、電圧源の周波数及び酸素分圧を変化させた場合の電流値、赤熱点の移動速度を測定した。 その結果、赤熱点は交流電圧印加時においても、直流電圧印加時と同様に発生、移動した。また、その移動速度は印加電圧、酸素分圧の増加に伴い増加した。この結果は、赤熱点の移動のメカニズムとして、酸化物イオンが何らかの影響を及ぼすとともに、他の要因も共存していることを示唆している。印加電圧の周波数を変化させると、赤熱点の有無に関わらず、電流値は10kHz以上において周波数の増加に伴い増加した。このとき、赤熱点の大きさ及び移動速度は変化しなかった。このことは赤熱点の発生と移動のメカニズムを探る上で非常に興味深い現象であり、更に追究していく必要がある。
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