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ERDとXPSを用いたプロトン伝導性酸化物における水素挙動の研究II

研究課題

研究課題/領域番号 08229226
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関名古屋大学

研究代表者

曽田 一雄  名古屋大学, 工学部, 助教授 (70154705)

研究分担者 加藤 政彦  名古屋大学, 工学部, 助手 (70222429)
柚原 淳司  名古屋大学, 工学部, 助手 (10273294)
森田 健治  名古屋大学, 工学部, 教授 (10023144)
研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1996年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
キーワードプロトン伝導性酸化物 / X線光電子分光 / 反跳粒子検出法 / 軽水素・重水素低温置換反応
研究概要

SrCe0.95Yb0.05O3-δに代表される酸化物は、高温において比較的高いプロトン導電性を示す優れた電気化学的性質を持ち、燃料電池や水素ポンプなどの材料として注目されている。本研究の目的は、反跳粒子検出法(ERD)によりこの物質中の水素の動的挙動を支配する素過程を調べると共に、光電子分光法(XPS)によりこの物質の電子状態や水素の吸着状態に関する知見を得ることである。
まず、5keVの水素(軽水素および重水素)を室温で飽和注入したSrCe0.95Yb0.05O3-δ試料を等時及び等温焼鈍し、その水素濃度分布をERDで測定した。等時焼鈍では、水素の大部分が70℃と300℃付近で再放出されるが、飽和値の数%程度は700℃でも残留することが分かった。等温焼鈍では、水素濃度変化が時間の指数関数的に減衰する2つの成分と1つの安定な成分が説明でき、2つの再放出過程の活性化エネルギーを決定した。
これらの再放出過程には大きな同位体効果が見られないが、室温における水蒸気雰囲気中での重水素・軽水素置換に大きな差異を認めた。つまり、重水素を飽和注入した試料を空気中に放置すると、重水素は空気中水蒸気の軽水素と置換したが、軽水素を飽和注入した試料を重水水蒸気雰囲気中に放置してもほとんど置換しない。
XPS測定では、水素注入の前後でCe3d及びO1s内殻準位線に変化が見られた。O1sスペクトルは、注入後、高束縛エネルギー側のピークが顕著になり、試料表面におけるO-H結合の形成を示唆する。Ce3dスペクトルは、Ce4f電子数に関連した微細構造を示すが、水素注入によって"4f^1"構造が顕著となる。これは、4f電子数が光電子放出の始状態において増加すること、つまり、水素注入によるCe価数の減少を意味する。
これらの結果は試料中への水素吸蔵機構と関連していると考えられるが、その解明は今後の課題である。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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