研究課題/領域番号 |
08229233
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
麹谷 信三 京都大学, 化学研究所, 文部教官教授 (50027900)
|
研究分担者 |
池田 裕子 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 文部教官助手 (10202904)
|
研究期間 (年度) |
1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1996年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | 高分子固体電解質 / 高分子イオン伝導体 / ポリエーテル / 分岐高分子 / 過塩素酸リチウム / 導電率 |
研究概要 |
導電率が10^<-4>S/cmを越える高分子固体電解質の分子設計を行い、エチレンオキシド(EO)と1,2-ジエポキシ-4,7,10-トリオキサウンデカン(TO)の共重合体(ETO)を合成した。モノマーTOはエピクロロヒドリンと、ジエチレングリコールモノメチルエーテルのナトリウム塩から収率約70%で合成できた。ポリマー合成は、バンデンベルグ系触媒であるジブチル酸化スズとリン酸トリブチルの縮合物を用いる配位アニオン重合により行った。共重合は減圧下150℃で約1時間触媒を熟成した後、20℃でEOとTOの混合物を添加し10〜20時間行った。水により重合を停止させ、ポリマーをろ過により分離して後50℃で減圧下乾燥させた。過塩素酸リチウムをドープしたポリマーフィルムと、していないフィルムをテトラヒドロフラン溶液からキャスト法により作製した。ポリマーフィルムをアルゴン気流下白金板にはさんでホルダーに装着し、交流インピーダンス法により導電率を評価した。ETOとしてTO含量5.9モル%のものを用いた。両者ともに重量平均分子量は10^6を越え、ガラス転移温度は-30℃付近であった。ETO-5およびETO-9の両者共ドープなしでは導電率が10^<-10>S/cm以下の絶縁体であったが、ETO中のエーテル酸素に対して5モル%過塩素酸リチウムのドープにより、25℃においてそれぞれ3.0X10^<-5>および2.3X10^<-4>S/cmの導電体を示した。EOの単独重合体の値は1.4X10^<-6>S/cmであったことから、TOを共重合して分岐を有するポリエーテルを含成することにより、分子設計通りの高イオン伝導性が実現できたと考えられる。
|