研究課題/領域番号 |
08230226
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
木村 啓作 姫路工業大学, 理学部, 教授 (70106160)
|
研究期間 (年度) |
1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | 金超微粒子 / ナノコロイド / ガスフロー法 / フラクタル凝集 / 光誘起凝集 / ナノクラスター |
研究概要 |
平均サイズ8nmの金ナノコロイド溶液に金微粒子のプラズモン吸収帯を照射することにより急速な粒子凝集が生じ、フラクタルクラスターを与えることが報告されている。従来のコロイド理論によればこれは粒子間引力が数千倍に増加したとして説明できる。平成7年度の研究課題においてこの光誘起ナノ粒子凝集現象を解明する為にArイオンレーザー0.45〜1.8Wにおいて照射光の強度依存性の、また溶液中の粒子濃度依存性の実験を行った。更に光相関法によるτ-電位の測定により分散の進行と同時にτ-電位が大幅に減少していることが示された。またアセトンによる紫外部の吸収が増大していることが分かった。本年度はこれらの結果を踏まえ有機液体中の金ナノクラスターの凝集、分散という特異な系の機構と反応経過を調べた。 アセトンが2-プロパノールから生成するのは2-プロパノール酸化反応を暗示している。比較のためエタノール中で同一の条件の下に実験を行った。暗所下でもレーザー光照射下でも粒子の分散現象は観測されなかった。すなわち粒子の電荷の増大は無いものと推測された。また1H-NMR測定においても吸収スペクトルにおいてもアセトンや他の新たな生成物は確認されなかった。2-プロパノールを用いた場合アセトンの最終量は実験の都度大幅に変化し、また光照射前の平衡τ-電位の値も-45mVから-65mVと変動した。すなわち実験条件依存性が強い。以上の結果より次のような反応機構を提案した。 [Au UFP]^<n->+CH_3CH (OH) CH_3→[Au UFP]^<(n+2)->+2H^++CH_3COOH_3 [Au UFP]^<(n+2)->+O_2/2→[Au UFP]^<n->+O^<2-> 2H^++O^2→H_2O ここで[Au UFP]^<n->は帯電した金ナノ粒子を表し、O_2は溶媒中に存在する極微量の酸素である。
|