研究課題/領域番号 |
08230232
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
川合 真紀 理化学研究所, 表面化学研究室, 主任研究員 (70177640)
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研究分担者 |
小笠原 寛人 理化学研究所, 表面化学研究室, 研究員 (50270591)
吉信 淳 理化学研究所, 表面化学研究室, 副主任研究員 (50202403)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | Ni(100) / Pt(111) / 吸着ダイナミクス / 分子間相互作用 / 吸着ポテンシャル |
研究概要 |
固体表面上での気体分子の反応は、飛来分子、吸着分子、表面原子などの反応因子が独立に作用するのではなく、お互いに促進あるいは反発しながら表面反応場の状態を規定している。平成7年度に引き続き、分子の吸着過程におけるダイナミックスが、既に吸着している分子に対して及ぼす効果に関する研究を進めた。吸着分子の表面拡散が無視できるような低い温度領域では、ダイナミカルな吸着過程が終了した直後の吸着状態に関する情報が得られる。Ni(100)上に、〜20KでCO分子を吸着させ、赤外反射吸収分光(IRAS)により吸着直後の吸着サイト毎の占有確率を観察した。 CO分子の吸着量が小さい領域では吸着分子間の間隔は大きく、相互作用は小さいと予想される。しかしながら、各吸着サイトの占有率は低被覆率領域で大きく変化することが見い出された。Ni(100)とPt(111)上での同様の研究との比較から、θ=0MLの極限では吸着ポテンシャルの深いサイトへの吸着が優先的に起こっていること、被覆率の増加に従いより浅いポテンシャルのサイトへの占有が増すことが明かになった。後者の原因としては、(1)1%ML以下の低被覆率領域における、基板を介した長距離の吸着分子間相互作用、(2)吸着の初期段階におけるエネルギー散逸過程での分子間相互作用が挙げられる。エネルギー散逸過程での直接的な分子間相互作用は、既に吸着している分子や吸着過程にある分子の質量によってその大きさが異なる可能性がある。そこで、異なる同位体を用いて、CO分子の各吸着サイトの占有率と吸着量との関係を調べた。その結果、吸着過程で直接的な分子間相互作用が働いていることが示唆された。今後、この相互作用の詳細を解明していく予定である。
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