研究課題/領域番号 |
08231212
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高橋 卓也 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (70262102)
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研究分担者 |
神山 勉 名古屋大学, 理学部, 教授 (30170210)
永山 国昭 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (70011731)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | プロテオリポソーム / 結晶化薄膜 / バクテリオロドプシン(bR) / 配向制御 / CDスペクトル / X線小角散乱 / 2次元結晶 / プロトンポンプ |
研究概要 |
膜上でのbR分子は環境に応じ、単量体、3量体、それに結晶状態をとるが構造と環境、機能の関係は明らかではない。紫膜と各種条件でのbRプロテオリポソームのX線小角散乱(SAXS)プロファイルを測定しCDと比較してその構造を検討した。DPPCプロテオリポソームのCD及びSAXSは塩(NaCl、KCl)の添加ではほとんど変化せず、紫膜様のスペクトルが得られた。しかし格子間隔は60Aで、紫膜の62Aより短めであり、電顕像でDMPCが90A以上という大きな値を示したのとは対照的であった。DMPCプロテオリポソームのCDスペクトルはNaCl濃度や温度により大きく変化するが、SAXSの方はほとんど変化せず、可溶化紫膜で見られたような3量体構造に対応するところにピークが表れる。硫安はNaClより強力な結晶化剤であり、DMPCプロテオリポソームに0.5M硫安を用いたテスト実験では3量体構造に起因するピークに加え紫膜様の結晶構造に由来すると思われる弱いピークが観測された。しかし格子間隔を測定するにはいたらなかった。現在、硫安濃度を高めたり、低濃度でも同様な効果を示す塩を探索したりして強固な2次元結晶をリポソーム上に再構成しようとしている。 球殻状構造体の2次元結晶作製を行い、原子間力顕微鏡で観察したところ50nm程度の粒状構造からなる膜が観測されたが2次元結晶は見いだせなかった。今後は溶媒条件や粒径の制御などの技術開発を行う。蛋白質超構造形成のメカニズムを理論的に明らかにするため、水溶性蛋白質における分子間相互作用の解析を行った。この手法をbRの3量体及び2次元結晶に対して行いつつある。プロテオリポソームを2次元結晶化する技術として、我々は磁場など外場による手法も考えている。その2次元超構造生成機構を明らかにするため、磁気微粒子を用いた巨視的なモデル系で実験及び理論的解析を行った。
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