研究課題/領域番号 |
08232218
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平尾 公彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70093169)
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研究分担者 |
武次 徹也 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (90280932)
中野 晴之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (90251363)
山下 晃一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40175659)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 白金表面反応 / メタン分子光解離反応 / 密度汎関数法 / Ab initio分子軌道法 / クラスター近似 / H型ゼオライト / 水分子吸着反応 / プロトン交換反応 |
研究概要 |
本年度は、ab initio分子軌道法と密度汎関数法を併用し、Pt(111)表面におけるメタンの光解離反応、H型ゼオライト上の水分子の吸着およびプロトン交換反応、に対して理論的研究を行った。気相のメタンを解離させるには185nm以下の波長の光が必要がであるが、最近、Pt表面に物理吸着したメタンは193nmの光を照射することによってメチルラジカルと水素原子に解離することが実験により見い出された。本研究では、Pt表面をクラスターで近似し、密度汎函数法およびCASSCF法による計算を行なって、(1)メタンはontop構造で表面から3.00Å離れて物理吸着すること、(2)単分子の励起状態から約3eVシフトしたcharge transfer型の励起状態がCH_3+Hへの解離を引き起こすこと、を明らかにした。今後は、同族のPd,Ni表面について同様の計算を行ない、反応性の違いを比較する予定である。ゼオライトの問題では、そのプロトン供与性による触媒能に関連し、H型ゼオライト上の活性点と水分子のプロトン交換反応を含む吸着状態を、特にオキソニュウム化合物の存否の観点から調べた。ゼオライト骨格はクラスターによってモデル化し、ゼオライト-H_2Oの錯体に対してHartree-Fock計算により2個の吸着構造(プロトン供与型および水素結合型)を求め、電子相関を考慮した2次摂動法計算によりこれらがほぼ等しい吸着エネルギーを与えることを明らかにした。一方で、平衡構造における調和振動数と実験の赤外吸収位置との比較においてプロトン供与型錯体では〜3600cm^<-1>の実測値に対応する計算値が現われない点で大きく異なることから、水素結合型の錯体が優位に形成されているとの結果を得た。このことは、実験によって示唆されている水素結合型の吸着を支持するものである。
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