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固体表面に吸着した有機金属錯体触媒の光活性化と活性構造制御

研究課題

研究課題/領域番号 08232231
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関東京工業大学

研究代表者

森川 陽  東京工業大学, 原子炉工学研究所, 教授 (00016396)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
キーワード有機金属錯体 / 錯体触媒 / 光活性化
研究概要

本研究では,[RhCl(CO)_2]_2を多孔質バイコールガラス(PVG)表面に担持した系について,この錯体の光化学変化と光触媒活性を精査し,光触媒活性発現に有効な構造に関する知見を得ることを目的とした。予備的結果を踏まえて,一酸化炭素存在下の光吸収スペクトル変化を精査し,光照射による錯体の構造変化に関する知見を得ると共に,プロペンの光水素化の速度論を定め,その反応機構を提案することとした。
この錯体はPVG上では,252,316nmに極大を持つ同様のスペクトルを示し,n-ヘキサン溶液中に比してブルーシフトしていた。これは,錯体と表面極性基との相互作用の存在を示す。光照射により,一酸化炭素を放出するとともに,極大吸収の相対強度が減少し,230〜350nmにわたって幅広い吸収を生じた。ここに一酸化炭素を導入すると両極大の強度は一部だけ回復した。一酸化炭素存在下での長時間照射でも幅広の吸収は増大した。以上より,光照射によって錯体は,先ず一酸化炭素が光脱離して表面酸素と相互作用し,一酸化炭素の再配位が可能な構造となり,引き続く光照射によって一酸化炭素が再配位しない構造に変化することがわかった。
プロペンの光水素化反応を光り触媒活性試験反応とした。光活性(r)の水素圧(P_H)に対する依存性は,プロペン圧一定下でr∝P_Hであった。光活性のプロペン圧(P_P)に対する依存性は,水素圧一定下でaを定数として,r∝P_P/(1+aP_P)で表された。従って,光活性はa,bを定数として,実験式r=bP_HP_P/(1+aP_P)により表される。一酸化炭素共存下では光照射しても活性は見られなかったが,一酸化炭素排気後の触媒では,光照射によって誘導期を伴い活性化が起こった。この結果は,配位子である一酸化炭素の脱離した空配位座が触媒作用に必須であることを示している。
以上の結果満足するプロペン光水素化触媒作用機構を提案した。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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