研究課題/領域番号 |
08232245
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
角田 範義 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (30201411)
|
研究期間 (年度) |
1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | ベ-マイト / アルミナ触媒 / 酸化セリウム / 微粒子効果 |
研究概要 |
本研究は、微粒子効果を利用した新規な反応場をもつ触媒の開発を目指す基礎的研究である。今までの研究は、触媒活性種としての微粒子を対象に行われていたが、我々は、微粒子化した担体に活性種を分散させ、担体の微粒子効果を利用して新しい反応場の構築を試みた。微粒子担体としてアルミニウムイソプロポキシドの解膠から生じる針状ベ-マイト(100nm×10nm)を用い、ベ-マイトからアルミナへの変化を利用して触媒調製を行った。 触媒の調製は針状ベ-マイトゾル溶液にエチレングリコールに分散した硝酸セリウムを加え、ゲル化乾燥して行った。500℃焼成では、通常の触媒同じ挙動を示すが、900℃、水素存在化で還元を行うと、X線では全く結晶の存在が認められず、EXAFSでも検出できなかった。これは、Ce-Oの結合距離が異なる様々な不定比化合物が生成しているものと結論された。我々の調製した酸化セリウム触媒はその不定比状態を空気中でも保持していた。これは、ベ-マイト表面に存在するCeイオンが焼成の過程で表面との強い相互作用が生じ、高温の還元で通常起こるCeAlO_3生成を抑制して不定比化合物となったものと考えられる。この触媒は、酸素の活性化(吸着、脱離)に対し効果的に作用し、特にメタン酸化反応では、貴金属が担持した触媒と同等の活性を示した。また、この活性酸素種が、反応ガスではなく格子酸素であることから、不定比酸化セリウム内を拡散して活性化されることが明らかになった。この触媒に、パラジウムを担持してその効果を調べたところ、酸素の活性化には影響が見られず、活性化した酸素の反応場として働き、酸化反応を促進していることが判明した。 以上のように、針状ベ-マイトから調製した触媒は、今までに見られない特異な反応性を有することがわかり、担体の微粒子効果を利用した新しい調製法の可能性が明らかになった。
|