研究課題/領域番号 |
08232249
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
町田 憲一 大阪大学, 工学部, 助教授 (00157223)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 金属間化合物 / 侵入型金属窒化物 / 窒素固定 / 窒素吸蔵合金 / 固-気相反応 / 固体触媒 / アンモニア合成 / 分子軌道計算 |
研究概要 |
申請者らは、現在超強力磁石として実用化されているNd_2Fe_<14>Bをキュリー温度と異方性磁界の点で凌ぐ、Sm_2Fe_<17>×N_xの効率的な合成プロセス[Sm_2Fe_<17>+0.5N_2→Sm_2Fe_<17>N_x]についてこれまで研究を行い、この原料合金がN_2分子の解離活性に高い触媒機能を有することを見い出した。またこの合金が、窒素を可逆的に吸放出すること[Sm_2Fe_<17>N_x→Sm_2Fe_<17>N_Y+0.5(x-y)N_2]も反応前後の組成分析により確認した。そこで今年度はこの様な背景に基づき、Ln_2Fe_<17>(Ln=希土類)組成の金属間化合物について、その窒化前後の表面状態とN_2分子解離活性とを金属間化合物の窒素吸蔵性と関連して検討し、この化合物上に形成されると考えられる特殊反応場を特定することを目的とした。 まず今年度は、Sm_2Fe_<17>N_xの他に、Ln_3(Fe,M)_<29>(M=Ti等)系希土類金属間化合物およびTiFe_2などの遷移金属-遷移金属間化合物についてアンモニアを媒介とする窒素の吸蔵特性を検討した。その結果、これらは通常の高圧窒素容器(充填圧:150kg/cm^2)と比べ2〜2.5倍もの窒素を吸蔵放出することが明らかとなった。また、窒素の吸蔵-放出サイクルを繰り返すに従って化合物が活性化され、吸蔵される窒素量が増大することもSm_2Fe_<17>において観察された。さらに、熱力学的および分子軌道計算より、金属窒化物としての窒素の貯蔵は吸蔵媒体となる金属と窒素との親和性、すなわち生成エンタルピーと密接に関連すると結論された。 一方、上記の化合物表面に活性なルテニウム金属を担持したところ、アンモニアの分解および生成反応が促進され、アンモニアを媒介とする窒素の吸蔵-放出速度が向上し、その結果窒素吸蔵能も向上することが明らかとなった。また、さらに窒素ガスを一次供給源とした窒素の吸蔵が可能となり、吸蔵された窒素を水素と反応させアンモニアを生成させることで、窒素固定型の吸蔵媒体となることも実証された。
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