研究課題/領域番号 |
08232251
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡本 康昭 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (80029553)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 水素化脱硫反応 / ゼオライト / Co-Mo硫化物 / 金属カルボニル / XAFS / XPS / 水素化反応 |
研究概要 |
1)軽油、重質油の深度脱硫技術の開発は環境保全の立場からも現在最重要課題の一つである。水素化脱硫触媒は、Co(Ni)-Mo二元系硫化物を主成分として構成されており、Co(Ni)-Mo間に強い協働効果が働く。その原因を解明するため多くの研究がなされてきたがいまだ十分には理解されていない。均質な複合硫化物の合成には分子レベルで均質な細孔構造を有するゼオライトが担体として最適であり、さらにゼオライトの酸点との複合化も可能である。本研究では、ゼオライト細孔内に超高分散Co-Mo複合硫化物を分子設計し、その構造、電子状態等を明らかにすることによりCo-Mo間に発現する協働効果の本質を解明しようと試みた。2)Mo(CO)_6を用いて調製したMoSx/NaYおよびCo(NO)(CO)_3/NaYの硫化処理により調製した硫化Co触媒CoSx/NaYは非常に高いHDS活性を示すことが明らかとなった。さらに、MoSx/NaYにCo(NO)(CO)_3を吸着後、再硫化することによりCoSx-MoSx/NaY二元系触媒を調製した。Co添加によりHDS活性の上昇がみられ、CoSx/NaY、MoSx/NaYの活性との比較によりCo-Mo間に協働効果がみられることが明らかとなった。また、Mo(CO)_6をCoに導入することにより調製したMoSx-CoSx/NaYは組成が同一であれば、CoSx-MoSx/NaYと同じ活性を示すことが明らかとなった。CoSx-MoSx/NaYの最大HDS活性はス-パイケージ当り2Mo+2Coで得られた。ブタジエン水素化反応の生成物分布は、Coの添加により変化し、最大HDS活性の得られる組成では、CoSx/NaYと同じ選択性を示した。これらの結果は、CoSxとMoSxの物理混合物としては理解できない。MoK-吸収端EXAFSの結果より、Co-Mo結合の形成がみられ、複合硫化物の生成が示唆された。さらに、Co2p XPSによる検討にから、Co-Mo複合硫化物の生成を確認できた。反応挙動および吸着NOのFTIRスペクトルより、Co-Mo複合硫化物クラスターのCoサイトが活性サイトであると結論した。
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