研究課題/領域番号 |
08232267
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
広瀬 勉 熊本大学, 工学部, 教授 (40037841)
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研究分担者 |
児玉 昭雄 熊本大学, 工学部, 助手 (30274690)
後藤 元信 熊本大学, 工学部, 助教授 (80170471)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1996年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 超臨界 / 水 / 酸化 / 触媒 / 二酸化チタン / ルテニウム / 汚泥 / 酢酸 |
研究概要 |
汚泥の超臨界水酸化処理において、酢酸・アンモニウムイオンが、難分解性中間体として残存するため、高温(870K)での処理を必要とする。そこで本研究では、触媒を加えることにより反応温度の低下を目的とした実験を行い、無触媒のものと比較した。 実験には回分式反応器としてステンレススチール製カラム(内容量2.5〜3.5cm^3)を用いた。原料として、下水処理場の余剰濃縮汚泥ならびに反応中間体である酢酸及びアンモニウム、触媒は二酸化チタンおよびルテニウム-アルミナ、酸化剤には過酸化水素水を使用した。原料、水、触媒、過酸化水素水が入った反応容器を密閉し、昇温しておいてアルカリ溶融塩炉中に入れ、一定温度で所定時間が経過したあと、炉から取り出して冷水で急冷却した。反応後の液相の生成物について、総有機炭素量(TOC)の測定、残存する有機酸およびアンモニウムイオンの分析で行った。 酢酸とアンモニウムを用いて実験(温度648-673K、圧力27.4-30MPa、反応時間10分)したところ、残存量は、二酸化チタンを触媒としたときには酢酸への効果はなかったが、アンモニアは12%以下にまで減少した。一方、ルラニウム-アルミナを触媒としたときには、残存率はアンモニアは33%、酢酸は1%未満と酢酸に大幅な減少が見られた。 これらの実験を基に、汚泥を用いて実験を行った。まず、触媒の有機酸に対する効果はいづれの触媒を使っても、無触媒の時に比べて減少しており、特にコハク酸・酢酸に対して使用していることがわかった。次に、触媒のアンモニウムイオンに対する効果を調べた。ルテニウム-アルミナ、二酸化チタンともに無触媒の時に比べてアンモニウムの濃度が減少しており、アンモニアでの実験結果と同様に二酸化チタンの効果が、ルテニウム-アルミナよりも大きいことがわかった。 以上のことから、超臨界水酸化法に触媒を加えることによって、残存する有機酸・アンモニウムイオンを減少させることが可能であり、操作温度の緩和が期待できる。
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