研究概要 |
メタンの部分酸化反応にイリジウムを酸化チタンに担持した触媒を用いることにより高いメタン転化率と合成ガスへの選択性を得ることができることを明らかにした。このときイリジウムの担持率が比較的たかいときに高い活性が発揮されたので、第一周期の遷移金属とイリジウムを複合化し低いイリジウム担持率で活性を発現させる可能性を検討した。ニッケルをTiO_2に担持した触媒を用いると,600℃ではほとんど活性を示さず、水素還元した時にメタンの部分酸化に活性を示した。この触媒に0.5wt%のイリジウムを添加すると水素還元を行わなくても活性を示し、このときメタンの転化率はそれぞれの金属を単独で用いるた時より高くなり、相乗効果が認められた。担体としては、イリジウム単独触媒の時最大の活性、選択性を示したTiO_2よりLa_2O_3を用いたときの方が活性、選択性が高くなった。 この触媒はNi単独の触媒と同様に炭素析出が起こり、SEM観察によれば繊維状炭素が生成していた。実使用条件を考慮しSV=30,000と高流速で反応を行っているが、さらに流速をSV=120,000まで上げてもメタンの転化率は低下せずに反応が進行した。本触媒の極めて高い活性があきらかになった。このとき、炭素析出量はメタンの反応量に対して相対的に低下した。 Ni-Ir複合触媒はIrの触媒作用によってメタンからの合成ガス生成反応が起こり、生成したCO,H_2によってニッケルの還元が起り、相乗作用が発揮されたものと考えられた。
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