研究概要 |
本研究では,移動ベース型ロボットシステムを 1.ベース無拘束のフリーフライングロボット 2.粘弾性拘束を受けるフレキシブルベースロボット 3.アクティブ拘束を受けるマイクローマイクロロボット に分類し,これらを一般的に記述する力学モデルを導出し,共通性と相違点について考察し,以下の結論を得た. (1) 1.〜3.に共通して,能動関節変数と手先作業座標を関連づける行列として,一般化ヤコビ行列が定義される.一般化ヤコビ行列は,これまで,積分型の拘束条件が成立する1.のシステムにおいてのみ定義されていたが,本研究ではこれを1.〜3.に拡大定義した. (2) 1, 2.のシステムにおいて,アームとベースとの動的干渉を記述する干渉慣性行列の零空間を使って,反動零空間が定義される.これを用いることにより,アームの反動によるベースの回転(システム1.)もしくは振動(システム2.)を生じない無反動軌道の存在を明らかにし,制御によるその実現方法を示した. (3)システム2.が環境と接触する問題について,一般化ヤコビ行列とインピーダンス関係を用いた基礎方程式を導出した. (4)上記(2)については,コンピュータシミュレーションおよび2次元テストベッド実験によって,その有効性を確認した.(3)については,今後更に詳細のシミュレーションおよび実験的検討が必要であると考えられる.
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